お笑いタレントのビートたけしが6日、東京・青海のフジテレビ湾岸スタジオで行われた同局系バラエティ特番『Cygames THE MANZAI 2015 プレミアマスターズ』(20日19:00~21:54)の収録後に取材に応じ、「この漫才がわれわれの時代に1組入ったら圧勝だよね」と、現代の漫才師の実力を高く評価した。
『THE MANZAI』は、80年代漫才ブームの火付け役だったが、2011年に復活してから昨年まで賞レース形式で開催。それが今年から、人気コンビが次々にネタを披露する形に変更され、80年代当時のスタイルに戻った。
この当時、ツービートとして毎回出演しており、現在同番組の最高顧問を務めるたけしは「われわれのときは6組か7組で平気で2時間くらいやってた」と振り返りながら、「今日はかなりのメンバー(約20組)が出てるんだけど、飽きなかった」と感想。さらに、「ネタもかぶらなかったし、大したもんだ」とも語り、「この漫才がわれわれの『THE MANZAI』の時代に1組入ったら、圧勝だよね」と、30年という時間をへての漫才の進化に目を見張った。
当時の番組は視聴率30%を超える社会現象だったが、たけしはこの事象を、プロ野球における長嶋茂雄・王貞治の人気と比較しながら分析。「長嶋さん・王さんと同じ実力のやつが、今の日本の野球に入ったって、あれほどの騒ぎには絶対なんない。だって落合(博満)とかイチローの方がうまいと思うもん」ということを踏まえ、「あの熱狂さはその時代が作るもんで、『THE MANZAI』のわれわれのいた時代は今より全然ネタ的には程度は低いけど、時代背景が違って熱狂度が全然違ってたっていうことだろうね」と説いた。
そんな今の漫才を立て続けに見たたけしは「今日あらためて俺は漫才やめようかなと思った。勝てるわけないから」と弱気に。そこで「いいの見つけて今落語やってる」と次なる芸を開拓しているそうだが、「もうちょっと落語が来るの待たないと。(ブームに)乗れないから(笑)」と冗談めかして語った。
たけしからは、このほかにも「われわれの時は(大阪から)若手に勢いがあるのが出てきた時代で、カルチャーショックだよね」「(自分たちの出番の)前にやってるのがウケると腹痛くなったり、コケろコケろと思ってた」「やすきよ(横山やすし・西川きよし)さんは持ち時間7分なのに、客が笑い疲れてウケないから30分やってた」など、当時の裏話が次々と飛び出し、現代の漫才を見て、かつて自分が立っていた舞台が交錯しているようだった。
今回の『Cygames THE MANZAI 2015 プレミアマスターズ』は、テーマソングや登場音の出囃子(でばやし)を、東京スカパラダイスオーケストラが担当。出演漫才師は、ウーマンラッシュアワー、おぎやはぎ、海原やすよともこ、キャイ~ン、サンドウィッチマン、タカアンドトシ、チュートリアル、ナイツ、中川家、NON STYLE、博多華丸・大吉、爆笑問題、ハマカーン、パンクブーブー、フットボールアワー、ブラックマヨネーズ、ますだおかだ、矢野・兵動、笑い飯といった人気と実力を兼ね備えたコンビが勢ぞろい。ここに、『M-1グランプリ2015』王者に輝いたトレンディエンジェルと、12日(15:35~17:30)に放送される『Cygames THE MANZAI 2015 プレマスターズ』で勝ち抜いた、数組の若手漫才師たちも出演する。
『THE MANZAI 2015 プレマスターズ』に出演するのは、アキナ、ウエストランド、エレファントジョン、オジンオズボーン、学天即、銀シャリ、三四郎、三拍子、磁石、ジャイアントジャイアン、ジャルジャル、笑撃戦隊、湘南デストラーデ、タイムマシーン3号、トレンディエンジェル、ニューヨーク、馬鹿よ貴方は、POISON GIRL BAND、メイプル超合金、和牛。