AKB48の柏木由紀と高城亜樹、8月にAKB48を卒業した倉持明日香からなる3人組アイドルユニット「フレンチ・キス」が5日、さいたまスーパーアリーナで解散ライブ「French Kiss Live~LAST KISS~」を開催し、5年間の活動に幕を下ろした。
「親に紹介したい3人組」というキャッチフレーズにピッタリな、白ベースのふんわりとした清楚感漂う衣装で登場した3人は、セカンドシングル「if」を皮切りに、3人でのお披露目は初となる「口移しのチョコレート」など、序盤から人気曲を連発。さらに、会場後方に設置された高さ3メートルの宙に浮くステージを使うなど、会場全体を使ってよりファンの近くでパフォーマンスを披露した。
ライブ中盤のMCでは、結成当初に掲げた3つの目標「単独コンサートをやりたい」「アルバムを出したい」「シャンプーのCMに出たい」を改めて振り返り、唯一達成できていなかった「シャンプーのCM出演」を叶えるべくCM撮影ごっこを展開。ノープランで行った結果、倉持が「これ罰ゲームとしか思えない」と言うくらいグダグダになりかけるも、フレキスファミリーと呼ばれる温かいファンにも助けられ、柏木は「全国放送じゃないけどさいたまスーパーアリーナで夢が叶った」と満足気だった。
ライブ終盤では、それぞれがソロ曲を披露。柏木は純白のドレスで登場し、自身のソロ名義曲「あなたと私」をしっとりと歌い上げ、高城はブルーのドレスで同ユニットでのソロ曲「2人だけの記憶」とリズムよく歌唱。倉持は真っ赤なドレスでAKB48ひまわり組の楽曲「向日葵」を壮大に歌いファンを魅了した。
また、アンコール直後のMCでは、解散することに実感が沸いていないような3人だったら、最後の挨拶になると倉持は「こうしてまたステージに立って、歌って踊って可愛いアイドルの衣装を着られることは、本当にファンの皆さんのおかげ。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と涙を流して感謝。高城は「この3人でユニットを組みますと言われたときに、本当のことを言うと私は歌もダンスも何もできないから、歌が上手で踊りもちゃんとできる先輩2人に囲まれて不安だった」と打ち明け、「でも色んな人が広い心を持って私のできないところを大目に見てくれて、ゆきりん(柏木)はステージでの見せ方を教えてくれて、あすかちゃん(倉持)は歌のお姉さんをやってくれたり、自分のパートじゃないフリを覚えて教えてくれて、本当に色んな人に支えてもらって成長して、今、最後のステージに立てているんだなって実感しました」と涙ながらに吐露。
さらに、ユニットを組むことが1つの夢だったという柏木は「フレンチ・キスは1つ夢を叶えてくれたユニットでした」と笑顔を見せ、結成当初は先輩をして気負っていたことを告白し「活動していく中で、一番年上で優しくみんなをまとめてくれるもっちー(倉持)と、リハーサルから泣いていたくらいフレンチ・キスのことを一番愛しているあきちゃ(高城)の魅力に気付いて、気が付いたら2人にすごく頼りっぱなしだったなと思います」と回顧。さらに「ファンの皆さんにもすごく支えてもらったユニットでした。今回、解散という形になって優しい皆さんに『解散してほしくない』とたくさん言っていただきましたし、私たちももう1回ライブをやりたいくらい辞めたくないなという気持ちもある」と心境を語りつつも、「改めてこの5年間と今日のライブを振り返ってみて、後悔はないかなと思いました」と晴れ晴れとした表情で語った。
そして全18曲を歌い上げると3人はマイクをステージに置き、手を繋ぎながら地声で「ありがとうございました」と言葉を残してステージを降り、5年間に渡るユニット活動に幕を下ろした。
フレンチ・キスは2010年9月8日にシングル「ずっと前から」でCDデビューし、シングル6枚とアルバム1枚を発売。最近では個人の活動も増えたことや、倉持のAKB48卒業もあって解散を決断し、「最後のコンサートなので、ファンの皆さんと大きな会場で一緒に盛り上がりたい」という思いで、同ユニット最大規模のさいたまスーパーアリーナで1万人を動員しライブを行った。柏木と高城はAKB48として、倉持はスポーツキャスター・女優として活動していく。