半導体市場調査会社の米IC Insightsは10月末、統計上半導体集積回路(IC)分野に属さない、その他のカテゴリである「オプトエレクトロニクス」、「センサ/アクチュエータ」、「ディスクリート半導体」といった3分野(O-S-D)の世界市場実績および予測を発表した。

これによると、照明用デバイス、赤外線回路、CMOSイメージセンサ(いずれもオプトエレクトロニクス分野に分類)などごく一部の主要デバイスが2桁成長を続ける一方で、ダイオード、整流器、パワートランジスタなど(ディスクリ―トに分類)やほとんどのセンサ市場は1桁縮少する。この結果、2015年にこれらの市場全体としては3%成長し、史上最高となる664億ドルに達する見込みであるとする。2014年は前年比9%増しの644億円で史上最高としていたが、今年はこれを更新することとなる(図1)。

2015年の世界市場における半導体全体の売上高は、前年比0.5%かそれよりわずかな低下で3541億ドルに留まると予測される。O-S-Dは、その半導体売上全体の19%を占める見込みだ。ちなみに今年、世界市場での集積回路の売上高は前年比1%低下しそうだ。

図1 非集積回路カテゴリの半導体分野、オプトエレクトロニクス(赤色)、センサ/アクチュエータ(ベージュ)、ディスクリート(青色)の世界市場における売上高実績(2014年まで)および予測(2015-16年) (出所:IC Insights Webサイト。2015/10時点)

多くのセンサ製品カテゴリで著しい価格低下が続いているため、今年は101億ドルと、2%の成長しか見込めないセンサ/アクチュエータ市場は、2016年は4%成長し105億ドルに達する見込みである。

コモディティ化しているディスクリ―ト半導体は、それを使った装置製造のスローダウンと今年下半期の弱含みの世界経済の影響がもろに出たため、2015年は前年に6%低下し215億ドルとなるが、2016年には3%成長し222億ドルまで戻す。

オプトエレクトロニクスは、O-S-D市場のなかで2010年代後半(2015-19年)に最も成長が期待されている分野である。これは、CMOSイメージセンサが、車載、医学用、ビデオ監視網、画像認識などの分野で広く使われるため需要が伸び、高効率LEDを採用した固体照明器具がさらに普及し、高速光通信網でレーザー送信機の需要が増すためである。

他の2つのO-S-Dセグメント、センサ/アクチュエータとディスクリートは、2012年および2013年の落ち込みから2014年に回復して以来、なんとか成長しようともがいている。ディスクリートの販売は、経済見通しの変化やエンドユーザーの需要の変化によって乱高下する購買のボラティリティに悩まされ続けている。パワー半導体は、ディスクリートの売り上げの過半を占めているが、その需要は2010年以降、大きく揺れうごいている。