半導体製造装置メーカー大手の米Lam Researchと同じく半導体製造用検査・計測機器メーカー大手である米KLA-Tencorは10月21日(米国時間)、LamがKLAを106億ドルで買収することで基本合意したと発表した。

両社の株主総会で株主の承認を得るとともに米国政府独占禁止規制当局の承認必要があるため、最終的な合意は2016年の半ばになる模様。LamおよびKLAの取り扱い品目はそれぞれ半導体の製造装置と検査計測装置でオーバーラップはないので、先のApplied Materials(AMAT)と東京エレクトロン(TEL)が経営統合を図った際のように米国当局が不承認とするような事態には陥らず、スムーズに承認されるだろうと両社の関係者は見ている。ちなみに、この発表の直後にKLAの株価は20%以上急騰している。

買収後もLam Researchの社長兼CEOを務めるMartin Anstice氏がトップとして陣頭指揮を執る予定。同社のStephen Newberry会長もそのまま留まる。社名はLam Reserchのままとし、KLAの名は社名からは消える。LamはKLAより2名の取締役を受け入れると言う。

両社の年間売上高合計は87億ドル(2015年の今までの実績とこれから12月までの予測をあわせた額)となっており、単純合算すればAMATに次いで世界2位の半導体製造装置メーカーとなる見込みで、今後AMATと激しくトップ争いをすることになりそうだ。またLamでは、この買収によるシナジー効果で、最終的には合意後18~24カ月以内で2憶5000万ドルの経費を削減できる見通しだとしているほか、同合意により、シナジー効果で年間売り上げが、2020年までに年間6億ドル増加することが期待されるようになると説明している。