Analog Devices(ADI)とMaxim Integratedが合併に向けて話し合いを行っていると、シリコンバレーの日刊紙「San Jose Mercury News」が2015年10月15日(米国時間)付けのビジネス面で大見出しで伝えた。匿名の関係者の談として米国経済ニュース「Bloomberg News」が配信したもので、Maximが銀行と今後の企業戦略について打ち合わせる最中に、ADIからMaximへのアプローチが明らかになったと関係者は明かした。現在、両社は話し合いの最中なので、合併に至るかどうかは不明としている。

いずれの企業も年間売上20億ドル台のアナログICベンダである。ADIはAD/DAコンバータやアンプ、RF IC、MEMSデバイスなどに強みを持ち、売り上げの半分は産業用である。一方のMaximは、コンシューマやモバイル・コンピューティング向けアナログ・デバイスを得意としている。両社が合併すれば、お互いに補完し合ってアナログ半導体の総合企業としてシナジー効果を発揮できるだろう。

米国では、Texas Instruments(TI)が2011年にNational Semiconductor(NS)を買収して、売上規模を拡大しており、TIのアナログ半導体事業売上高は81億ドル(2014年度)に達しており、ADIやMaximなどの競合企業を大きく引き離している。巨象TIに対抗するには、中小アナログ半導体企業が束になってかかるしかない状況だ。

IoT時代の幕開けと共に、デジタル半導体の世界には企業再編の津波が押し寄せているが、「いよいよ、アナログ半導体でも業界再編の幕開けかもしれない」とMaximの地元、シリコンバレーの業界関係者は見ている。