ブレスレットのようなウェアラブルスマートフォン「Blu」がクラウドファウンディングのIndiegogoに登場した。「スマートウォッチの柔軟性や便利さとスマートフォンのパワーを組み合わせる」としている。目標額は100万ドルと野心的だが、すでに定価の73%引きの219ドルで購入できる"Super-Early Bird"は売り切れだ。

Indiegogoで支援者を募集中

Bluはオーストラリア・パース在住のDurrell Pita氏が開始したクラウドファウンディング・プロジェクト。iPhone登場以来スマートフォン市場は大画面を片面全面に備えたキャンデーバータイプのものが主流だが、Bluはハードウェアデザインへのフォーカスを最大の特徴とする。

「Blu」一見長細いスマートフォンに見える

画面はFlexible Organic Light Emitting Diode(F-OLED;フレキシブルOLED)画面技術の採用により、円周5.5インチのリング状に丸めることができる。バッテリーや回路なども柔軟性のある部品(プリント回路基板、2400mAhのFlex-ionバッテリなど)を利用することで実現するという。

F-OLED画面により、端末をリング状に曲げることができる

画面サイズは5.3インチで解像度は1080X1920、Corning Gorillaを採用する。耐性にも優れ、ハンマーで打ったり高い所からの落下、さらにはハサミを使っても大丈夫だとしている。防水機能も備える。OSはAndroidをベースとし、独自技術「Gesture Oriented User Interface(Go UI)」を重ねる。腕の動きでGUIの動きを調整し、インターフェイスがシームレスに動きながらユーザーが見たいものを表示することができるという。側面が光ることでメッセージの受信、着信などを知らせてくれる。この光はカスタマイズも可能という。

スペックはSnapdragon 810をベースに、RAMが4GB、ストレージが128GB。カメラは13メガピクセルのメインのみでサブはない。無線はLTE、HSPA、GSMに対応し、このほかWiFi、Bluetooth、NFCもサポートする。周波数帯はGSMが850/900 /1800/1900 MHz、FDD LTEが2100 (band 1)/1900 (band 2)/1800 (band 3)/850 (band 5)/2600 (band 7)/900 (band 8)/800 (band 20) MHz、HSPAが2100/1800/900/850MHなどをサポートする。USBポートなどはなく、充電もワイヤレスで行う。ウェアラブル向けに最適化した360度のスピーカーなども特徴となる。サイズは254x55x4.5(ミリメートル)で重さは170グラム。色は白、黒、金の3色展開。

Bluは"スマートフォンを再考する"とこれら革新的技術を売り込む。すでに最終形のプロトタイプの作成に入っているという。定価を799ドルとしており、Indiegogoでのプロジェクトの説明によると、製造コストの60%は画面とのことだ。Indiegogoで得られた投資を利用して、最終部品の開発、最終プロトタイプの完成、充電やファイル転送のためのワイヤレスドック、サプライチェーンの最適化などを行い、製品化につなげたいとしている。

すでに3回のプロトタイプを経ている。これは2回目のプロトタイプ

クラウドファウンディングプロジェクト開始から2日目にして、226人が支持を表明、すでに5万3454ドルを調達している(執筆時)。白または黒の「Blu Wearable」を73%引きで購入できる219ドル枠は用意した200人枠が完売、2台セットで購入できる438ドル枠も完売している。現在319ドル枠(61%引き、黒または白)、419ドル枠(49%引き、黒または白)、特別エディションの金を購入できる719ドル枠などが残っている。現在目標額100万ドルに対し、達成額は5%となっている。残りはあと43日。達成できるかどうかに注目だ。