米Facebookの共同創業者でCEOを務めるMark Zuckerberg氏が4月14日(米国時間)、Facebookの自身のページで一般からの質問に答えるQ&Aを1時間実施した。成功の秘訣や労働時間といった自身の考えやプライベートなことから、買収したOculusなど製品に関すること、インターネット普及のためのIntenet.orgの取り組みまでさまざまな質問に答えている。

Zuckerberg氏は、3月のMobile World Congressなど、ここ数カ月、各地でタウンホールミーティングを開催しているが、今回Facebookサイト上でQAを行うことで「より多くの人が参加できると思った」としている。

米FacebookのZuckerberg CEOがFacebook上で一般からの質問に回答

スクロールしきれないぐらいの質問やコメントが寄せられているが、まずは製品に関する質問とZuckerberg氏の回答を見てみよう。

Oculus Riftのビジョンについて

2014年に買収したOculus VRが開発するVRヘッドセット「Oculus Rift」について、「Oculusのビジョンは?」とあるユーザー。Zuckerberg氏は、「われわれのミッションは、あらゆるものを体験できるパワーを人々に与えることだ」とする。「アナログの世界では、どこかに旅行に行けなかったり、だれかと一緒にいられなかったり、物理的になにかが不可能であったとしても、これまでできなかっとことを可能にする媒体を構築するのを支援することが目標だ」と続ける。これはコミュニケーション媒体としても強力なツールになりうるとする。

例として、写真や動画をキャプチャしインターネットで共有しているように、「全体の3Dシーンをキャプチャして新しい環境を構築し、これを共有することができるようになる」と記している。

Facebookは対面コミュニケーションを阻害する?

「Facebookは対面でのコミュニケーションを妨げていると思う?」という質問に対しては、「ノー」と否定した。Facebookは妨げというよりも、「直接近くにいない人とコミュニケーションをとるのを支援している」との見解を示した。

インターネットの普及について

FacebookがEricssonらと立ち上げたインターネット普及のための非営利団体Internet.orgに関しては、「欧州に拡大する計画は?」という質問が出た。これについては、「イエス」と回答。接続の状態から優先課題をつけて、その国や地方のネットワークキャリアや政府と取り組んでいくとした。

さすがはZuckerberg氏、有名人も飛び入り参加している。たとえばVirgin GroupのRichard Branson氏、インターネットを全世界に普及するというZuckerberg氏のビジョンに同意しつつ、「最大のメリットはなんだと思う?」と質問している。

これに対し、Zuckerber氏は、「教育、健康に関する情報、仕事」「貧困状態にある1億人以上を救うことができる」など一般的にいわれていることを並べつつ、「見過ごされがちなのは、すでに接続のある人が全員がオンラインにいることで得ているメリット」とする。そして、「素晴らしいアイディアのある起業家が基本的なツールを得られる」というメリットを取り上げた。インターネットに常時接続できない率である3分の2を当てはめ、「(アクセスのない)起業家の3分の2にツールを与えることができたら、素晴らしいアイディアが3倍増えることになり世界中の人がメリットを受けられる」と回答している。

歌手のShakira氏は、教育を満足に受けられないコミュニテイにいる人が利用できるツールとしてのインターネットについて質問した。Zuckerberg氏は「パーソナライズされた教育に興味を持っている」とし、「技術を利用して、自分が最も興味を持っていることを自分のペースで学ぶことができる」チャンスを与えることへの期待を寄せた。

Zuckerberg氏の労働時間は? 好きな読書のジャンルは?

このほか、個人的な質問も寄せられている。たとえば「1日に何時間働く?」という質問だ。これについては「何を"仕事"とカウントするかにもよるね」とZuckerberg氏。ほとんどの時間を、どうやって世界をコネクトするか、コミュニテイに役立つことができるかについて考えているというが、これは(仕事の場所といわれている)オフィスやミーティング外で起こっているとのこと。「自分一人で考えたり読んだりする時間をたくさん持つようにしている」とZuckerberg氏。オフィスにいる時間としては、1週間に50~60時間だが、Facebookのミッションについてフォーカスする時間となると「基本的に一生といえる」と記している。

学習熱心なことで知られるZuckerberg氏、努力家の一面も垣間見れた。2010年に中国語をマスターすると公言しており、2014年秋には中国語でスピーチしたことが報じられたが、「中国語を学ぶにあたってコツはある?」という質問に、Zuckerberg氏は「練習あるのみ。言語を学ぶことは謙虚さが要求される」と答えた。それでもアドバイスとして、「間違った言葉遣いをしていたとしても、飛び込んで話してみること」とスキル不足を意識しすぎずに話すと、速く学べると明かしている。

言語と同じくZuckerberg氏が目標に掲げる読書("2週間に1冊")については、「フィクションを読む? それともノンフィクション?」とある人が質問、両方読むがノンフィクソンの方が多いとのこと。

最後に紹介するのが「成功の最大の秘訣は?」という質問では、「決してあきらめないこと」がZuckerberg氏の答えだ。