富士通研究所は4月2日、スマートフォン(スマホ)とその周辺にある電子機器やセンサなどの周辺デバイスを、スマートフォンのOSに依存することなく自動的に接続し、クラウドサービスと組み合わせて利用可能とするWebOS技術を開発したとい発表した。

これまでスマートフォンやタブレットなどのスマート端末から周辺デバイスを利用するためには、OSや周辺デバイスごとに専用アプリケーションが必要で、利用者はアプリケーションのインストール、開発者はOSや周辺デバイスごとのアプリケーション開発が必要となり、利便性と開発コストの点で課題があった。

こうしたアプリケーションのOS依存性を低減する技術として、HTML5のようなWebアプリケーションを用いる方法があるものの、周辺デバイス用のデバイスドライバについては、依然としてOSごとに開発し、アプリケーションと一体化して提供する必要があり、OS依存性が解消されていなかった。その一方で、ブラウザ上でデスクトップのような環境を提供するWebOS方式の実行環境が知られているが、ドライバの配置方法が確立されておらず、アプリケーションから周辺デバイスが利用しにくい状況となっていた。

今回の研究では、OS上に独自のアプリケーション実行環境層を構築し、周辺デバイスを制御できるようにすることで、Webアプリケーションからクラウドサービスと周辺デバイスを接続できる技術を開発した。これにより、その場にあるデバイスを即座に利用することが可能になるほか、デバイスが切り替わっても、アプリケーションを変更することなく利用し続けることが可能となったという。

なお富士通研究所では、今後、対応デバイスの拡充や実利用シーンでの検証を進めるとともに、人が活動しているあらゆる場所でのサービス提供に向けて、同技術の2016年度中の実用化を目指すとしている。

スマート端末と周辺デバイスを動的に繋げる技術のイメージ