凸版印刷は3月6日、装着型アイカメラの視線データを自動解析するプログラムを開発し、同プログラムを活用して実際の店舗での購買者の視線について高精度な定量分析が行えるリアル行動視線調査サービス「Insight Viewer Real(インサイト ビュアー リアル)」を、消費財メーカーや流通に向け3月より本格的に提供すると発表した。
同サービスでは、売場にマーカー(目印)を付けることなく、装着型アイカメラで撮影した動画上の視線データを自動解析し、複数の被験者の視線データを同時に高い精度でプロットすることができる。そのため、従来の装着型アイカメラ調査では難しかった、視野全体や複数棚が並んだ売場全体の視線の停留個所を色で表現する「Heat Map(ヒートマップ)」や、視線を集めたエリアの分布を%表示する「AOI(Area of Interest:エーオーアイ)」など、定量的な視線データの可視化が可能になる。
また、購買者はカートを押しながら買い物をするため通常の目線より比較的下に視線がいくことや、シニアの視線はより下目線で視野が狭くなること、動いている時は水平に視線が移動するが、立ち止まった時は縦方向に大きく振れることなど、観察調査やインタビュー調査だけではわからないことを、数値的に可視化することもできる。
さらに、新開発した自動解析プログラムにより、視線解析にかかる時間を短縮。従来のサービスに比べ同じ期間でサンプル数を増やすことも可能となった。
基本料金は、12サンプル×3パターンを調査する場合で130万円からとなっている(調査設計、アイカメラ調査と視線解析、事後アンケート調査、報告書を含む)。
凸版印刷は同サービスを、主に消費財メーカーや、流通の商品パッケージデザインや店頭販促物のデザイン検証、棚割り検証などに向けて提供。ショールームのデザインやサイン・看板デザインの検証、タブレットコンテンツのユーザーインタフェース(UI)検証など、新たな活用も促進することにより、科学的な検証データをもとにした提案活動に力を入れ、2017年度に関連受注も含めて約10億円の売上を目指す。