米ミシガン大学は2月16日、ペンギンは5つある味覚のうち3つが無いと発表した。

同成果は同大学のJianzhi Zhang 教授らによるもので、2月16日に米科学誌「Current Biology」オンライン版に掲載された。

事の発端はZhang教授のもとに中国の研究者から「アデリーペンギンと皇帝ペンギンの遺伝子配列を調べたが、味覚に関連する遺伝子のいくつかが欠けている」との連絡があり、それが検査の不備によるものなのか、進化の過程で失われたものなのか判断してほしいという依頼があったこと。

Zhang教授らはアデリーペンギンと皇帝ペンギンの遺伝子のほか、ヒゲペンギン、キングペンギン、イワトビペンギンやペンギン以外の鳥類22種の遺伝子を調査。その結果、5種のペンギンすべてで甘味、うま味、苦味の遺伝子が欠損していることが判明した。

脊椎動物には甘味、酸味、塩味、苦味、うま味という5つの味覚があるが、鳥類は哺乳類に比べて味蕾が乏しく、味覚が弱いとされており、現在までに研究が済んでいる全ての鳥類で甘味が欠けていることが確認されている。

ペンギンが3つの味覚を失った経緯について詳しいことは分かっていないが、Zhang教授らは「非常に寒い地域で進化していく中で遺伝子に異変が起きたのでは」と推測している

キングペンギン (C)Jianzhi Zhang