カネカは2月17日、農業分野向け酸化型グルタチオン(GSSG)を生産し、2015年春を目標に「カネカ ペプチド」として業務用販売を開始すると発表した。

同社は岡山県農林水産総合センター生物科学研究所および岡山大麦ゲノムテクノロジー(OGBT)と、2010年よりGSSGの共同研究・開発を進めており、今回はOGBTとGSSGに関する特許群などの通常実施権許諾包括契約を締結したかたちとなる。

GSSGを植物に与えることで光合成を促進したり、光合成によってできた糖類を効率よく蓄積させる効果があり、農作物の増収や糖度の向上などが期待できる。また、植物だけでなくあらゆる生物の細胞に含まれているため、安全な物質とされる。

カネカは日本でGSSG肥料として5つの肥料登録を済ませており、カナダ、米国、中国、インド、タイ、ベトナムなどで試験的施肥を実施している。ジャガイモ、キャッサバ、サツマイモ、コーン、タマネギ、ナスなどで10~40%の増収効果が確認されているという。

なお、同社は今後「カネカ ペプチド」を大型事業化していき、2020年に売上高100億円以上を目指すとしている。