大日本印刷(DNP)は、商品パッケージや販促物などを見るときの眼球の動きを測定、分析することで、生活者の無意識行動を解析する「アイトラッキング技術」と、どの商品が・いくつ・いつ売れたというPOSデータに、「誰が」という個人認証用のID情報を加えた「ID-POSデータ」を活用した実店舗での調査・分析によって、パッケージデザインや販促物などのマーケティング評価を行うサービスを展開すると発表した。

これは、対象商品に対する生活者の購買行動プロセスの把握と問題点を抽出する「課題抽出サービス」と、パッケージや販促物などが計画通りの効果を発揮しているのかを評価する「効果検証サービス」を行うサービス。

同社では今年2月、静岡鉄道が発行する「しずてつカードLuLuCa」の会員を対象にして、同グループのスーパーマーケットチェーン「しずてつストア」の一部店舗と連携し、同サービスを開始する。

「しずてつストア」店舗でID-POSを利用する実働会員は約25万人で、そのうち調査対象ブランドの商品を定期的に購入しているユーザーや、毎回異なるブランドの商品を購入しているユーザーなど、購買履歴に基づいてモニターを選択することで、定性調査の精度を高める。

「課題抽出サービス」では、企業(今回は静岡鉄道)が保有するID-POSデータに基づいて対象モニターを選出。モニターがアイトラッキング用の機器を装着して、できるだけ普段通り買い物をすることで、商品の購買決定プロセスや、商品パッケージ・販促物の課題を明確にするためのデータが蓄積できる。それによって、店頭で商品の魅力をより的確に伝える効果的なパッケージのデザインや販促物の企画、陳列展開などを、脳科学的知見に基づいて提案する。価格は 300万円(税別)~。

効果検証サービスでは、新製品やリニューアル商品を店舗でテスト販売し、ID-POSデータの解析や出口調査を行うことで、パッケージデザインや販促物がどのような効果を生活者に及ぼしたのかなどを検証する。価格は 300万円(税別)~。

アイトラッキングの実施風景

アイトラッキング用の機器を装着し、見た時の映像