9to5MacでMark Gruman氏が、iOSの次期メジャーバージョンは安定性とパフォーマンスの向上を目的としたアップグレードになると報じた。

iOS 7でユーザーインターフェイスを刷新し、iOS 8ではMacやiPadとの連係を強化、サードパーティ開発者が利用できるAPIを拡大するなど、ここ数年AppleはiOSのアップグレードで主に外見と機能を向上させてきた。そうした変化はユーザーと開発者から歓迎されたものの、Appleのソフトウエアの品質や安定性が低下していると声を上げる開発者も出てきた。iOS 9(仮称)では機能追加を小休止し、主に中身のアップデートを行うという。

「iOS 9の開発に携わるエンジニアたちは、大きな機能追加の提供よりも、バグを修正し、安定性を高め、パフォーマンスを向上させることに多大な力を注いでいる」(Gruman氏)。Appleはまた、iOS 9でOS全体のサイズをコンパクトにしようとしている。それによってアップデートに必要なストレージ容量が減り、短時間で安定したOSアップデートが可能になって、ストレージ容量の小さなiOSデバイスにおけるOSアップデートのトラブル解消につながる。ただし、同氏はiOS 9のアップグレード対象が64-bit対応のAプロセッサ(A7、A8)に限られる可能性も指摘している。そのようになった場合、A6/A6X以前のプロセッサを搭載した8GB/16GBのiOSデバイスはコンパクトになったOSの恩恵を受けられない。

AppleはMac OS Xでも2009年にリリースした「Mac OS X 10.6 Snow Leopard」でパフォーマンスと安定性の向上に注力し、OS全体をコンパクト化した。iOS 9はSnow Leopardのようなアップグレードになる。ただし、Snow LeopardでもDockやExposeが改良されており、iOS 9でも「マップ」の乗り換えサポートや屋内マップなど、アップグレードのタイミングで準備が整う新機能の追加が行われる見通しだという。

Gruman氏は、Siriの採用、Google MapsのiOS標準アプリからの排除、iPadの128GBモデルの登場など、過去に数々のスクープをものにしてきた。Forbesが選ぶ30歳以下の30人「30 under 30」で、2015年時点でメディア部門の1人に選ばれている。最近では開発が噂される12インチMacBook Airに関する記事が話題になった。