ディスコは11月25日、半導体ウェハの裏面研磨に用いられるドライポリッシング(DP)ホイール「DPEG-MZ」、および切断に用いられるダイシングブレード「ZH14」シリーズを発表した。

現行のDPホイール「DPEG」は、抗折強度とゲッタリング効果の維持を両立させており、メモリデバイスなどの製造プロセスに採用されている。しかし、厚さ50μmレベルでのゲッタリング効果の維持と高抗折強度の両立を実現したものの、デバイスの低背化の流れを受け、さらなる薄化領域における抗折強度の向上が求められていた。「DPEG-MZ」は、現行の「DPEG」と比較して抗折強度を向上させており、ウェハ仕上げ厚さ25μmの加工にも対応し、ダイボンディングなどの組立プロセスにおける破損リスクを低減している。

また一方で、デバイスの小型化・低背化を実現するため、バンプの付いたフリップチップなどの採用が進んでいる。これらのワークは、ダイシングの際ブレードに長い刃先出しが求められるため、蛇行や切れ曲がりが発生しやすいという課題があった。「ZH14」シリーズは、新開発の高剛性V1ボンドを採用することで、高速・深切り・長い刃先出しでのワンパス加工といった高負荷な条件における破損や蛇行を抑制し、高品位な加工を実現する。また、ブレード破損限界速度が20%上昇し、高速での安定加工が可能となり、加工品質が向上している。

なお、両製品ともサンプル出荷に対応中である。

(左)現行製品と(右)「ZH14」シリーズの加工品質の比較。「ZH14」シリーズは、深切りや長い刃先出しにおいても、切れ曲がりや蛇行なく加工できる