Texas Instruments(TI)は11月20日、産業、医療、民生用電子機器向けに、ケーブルやコネクタへの接続が不要で、高速、高効率充電を実現した完全集積型10Wワイヤレス充電レシーバ「bq51025」とトランスミッタ「bq500215」を発表した。

レシーバ「bq51025」は、4.5V~10Vのプログラマブル出力電圧をサポートしている他、「bq500215」との組み合わせにより、10W出力で、最大84%の充電効率を実現し、発熱特性が大幅に向上する他、1セルや2セル構成のバッテリ駆動製品の高速充電を実現する。また、完全集積型であるのに加え、小型パッケージで供給されるため、POSスキャナからハンドヘルド医療診断機器などの広範な産業機器、およびタブレットやウルトラブックなどのパーソナル電子機器への利用が可能となっている。

一方の「bq500215」は、専用の固定周波数10Wワイヤレスパワーデジタルコントローラトランスミッタで、Qi準拠の5Wレシーバと互換性がある。また、強化異物検出法(FOD)を採用しており、電力伝送に先立って異物を検出し、過剰な損失が検出された場合には、出力電力を低減する仕組みになっている。

この他、Qi標準準拠の通信/制御機能により、5Wまでのすべてのワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)Qi認証トランスミッタやレシーバとの互換性が確保されている。また、I2C通信インタフェースにより、レシーバのトランスミッタサーフェス上での配置が向上し、「bq51025」と「bq500215」間で専用データパケットの伝送が可能となっている。

なお、パッケージは、「bq51025」が3.6mm×2.9mm×0.5mmサイズの42ピンDSBGA、「bq500215」が9mm角の64ピンVQFN。価格は1000個受注時で両品種とも4.00ドル。すでに量産出荷を開始している。

完全集積型10Wワイヤレス充電レシーバ「bq51025」とトランスミッタ「bq500215」