横河ディジタルコンピュータは11月18日、組み込み開発支援ツール「adviceLUNA II」によるルネサス エレクトロニクス製FAソリューション「RZ/T1」のサポートを開始すると発表した。

「RZ/T1」は、高性能リアルタイム制御とマルチプロトコル産業Ethernet通信を1チップで実現している。最大600MHz動作のARM Cortex-R4Fコアと、キャッシュメモリを介さずCPUコアに直結する密結合メモリ(TCM:Tightly Coupled Memory)を搭載することにより、従来のキャッシュメモリベースのMPUでは実現できなかった高いリアルタイム応答性と、従来のフラッシュメモリ内蔵マイコンを超える高速動作を両立させている。また、マルチプロトコル対応の産業Ethernet通信向けアクセラレータ「R-INエンジン」を搭載することにより、EtherCATをはじめとする複数の産業Ethernet通信規格へも対応する。さらに、「SHファミリ」や「RXファミリ」の周辺機能を多数継承しているので、従来製品で培った技術資産を活かしてシステムを開発できるという。

一方、「adviceLUNA II」は、直感的な操作性のGUIデザインを採用したソースコードレベルデバッガmicroVIEW-PLUSにより、初めてのユーザーでも使いやすく効率的なデバッグ環境を提供する。従来のJTAGエミュレータが備えるデバッグ機能である実行制御(Go、Break、Stepなど)やメモリアクセス、イベント、トレース計測、カバレッジ計測などに加え、AMP(非対称型マルチプロセッシング)/SMP(対照型マルチプロセッシング)プロセッサを効率よくデバッグすることができるマルチコアデバッグ機能や内蔵フラッシュメモリ編集、Android、Linux、μITRONなどの各種プラットフォーム/OSにも対応している。

なお、「RZ/T1」向けの主な特徴として、ARM Cortex-R4F JTAGデバッグ、ルネサスR-INエンジンJTAGデバッグ(ARM Cortex-M3 JTAGデバッグ)、シリアルフラッシュ対応、ARM Cortex-R4F ETMトレース(2014年12月対応予定)が挙げられるとしている。

「adviceLUNA II」と「RZ/T1」の接続イメージ

「adviceLUNA II」とデバッガmicroVIEW-PLUSの操作画面