ZMPとエイチアイは11月6日、ZMPの車載データ送受信機「カートモ UP PRO」とPC間で通信するためのライブラリをエイチアイの組み込みUIオーサリングツール「UIコンダクター(exbeans UI Conductor)」上で、使用することについて契約を締結し、共同でマーケティングを開始することで合意したと発表した。

従来、「UIコンダクター」で、メータやヘッドアップディスプレイ(HUD)などのヒューマンマシンインタフェース(HMI)のプロトタイプを作成する際、実際の自動車からCAN情報を取り込むことができず、仮想的なデータをもとにして作成をすることが余儀なくされていた。今回の協業により、「カートモUP PRO」と「UIコンダクター」間の通信が可能になるため、実車のOBD II端子から「UIコンダクター」へ速度や回転数をはじめとするCAN情報のデータを容易に取り込むことができるようになり、「UIコンダクター」で作成したHMIへこれらのデータを反映させることが可能となる。また、実験走行データをログとして保存し、あとで再生することができるため、スムーズな開発が可能となる。この連携によって、HMIのプロトタイプの開発段階で実際の自動車と同期した検証・確認の作業を行うことができ、より迅速にHMIのプロトタイプの改善を行えるため、質の高いHMIの実現が可能になる。

なお、ZMPでは、研究開発や先行開発における実験システムの構築やテスト走行実験の代行を手掛けている。今回の両社の協業により、例えば「UIコンダクター」でいくつかのUIプロトタイプを作成し、テストコースなどで走行実験を行いユーザービリティの評価・検証するといったことが可能となる。「UIコンダクター」と「カートモUP PRO」の連携機能は、11月末よりサポート開始の予定。

「UIコンダクター」と「カートモUP PRO」の連携によるプロトタイプ作成画面のイメージ図