米NetAppは10月27日(現地時間)、翌日(現地時間)から米ラスベガスのホテルで開催される同社のテクノロジーイベント「Insight 2014」の会場で、ハイブリッドクラウド向けの新しい製品やサービスを発表した。
まず、同社はクラウドデータ基盤としてのストレージOSの最新版「clustered Data ONTAP 8.3」を発表。
さらに、「clustered Data ONTAP」の機能を、パブリッククラウド上で実現するためのソフトウェアのみのストレージアプライアンス「Cloud ONTAP」を発表した。その最初の対応として、Amazon Web Services(AWS)をサポートする。これにより、「clustered Data ONTAP 8.3」が提供する仮想化されたソフトウェアベースのインスタンスをAWS上で実行できる。今後はAWS以外にも、他のパブリッククラウドもサポートされる予定だ。
なお、同社では、クラウド利用に最適化されたライセンスやデータセンター向けの従来型ライセンスなど、複数のオプションを用意しているという。
また同社は、「Cloud ONTAP」を導入・管理するためのソリューションとして「NetApp OnCommand Cloud Manager」も発表。同製品は、GUIにより容易にプロビジョニングでき、「Cloud ONTAP」の全インスタンスを一元的に管理できる。
さらに同社は、「NetApp Private Storage(NPS)」対応プロバイダに、IBMのSoftLayerを追加した。
NPSは、Equinixのデータセンターやその他のコロケーションセンターにNetAppのストレージを設置し、各プロバイダとは専用線で接続して利用できるサービス。これまでは、AWSとMicrosoft Azureに対応していたが、今回、SoftLayerにも対応。利用者は、用途に応じて、複数のプロバイダを組み合わせて利用できる。
なお、明日からの「Insight 2014」では、同社はハイブリッドクラウドに対する戦略を発表するものと思われる。詳細は今後レポートするが、10月27日(現地時間)のプレス向けカンファレンスで、米NetApp Executive Vice President George Kurian氏は、ハイブリッドクラウドについて、次のように述べている。
「ハイブリッドクラウドの中心はデータで、管理・保護されるべきだ。データをオンプレミスからクラウドに移行できるのがハイブリッドクラウドで、ハイブリッドクラウドにアクセスビリティ、フレキシビリティ、効率性を追加したものが『Deta Fabric』だ。だが、その構築は容易ではない。NetAppでは、2004-2010年まで仮想化することにチャレンジし、2010年以降はマルチプロバイダを1つに仮想化することに注力してきた。今後は、『NetApp Deta Fabric』のためにクラウドの仮想化を行っていく。その基盤となるのが『clustered Data ONTAP 8.3』だ」。