理化学研究所(理研)は9月19日、STAP細胞の2件の研究論文に関する不正の調査を行う調査委員会の委員長を務めていた石井俊輔上席研究員が責任著者を務めた研究論文2件に対する15の疑義について、予備調査を行った結果、いずれの疑義についても研究不正にはあたらないと判断したと発表した。

1本目の論文「ATF-2 controls transcription of Maspin and GADD45α genes independently from p53 to suppress mammary tumors」については、疑義のうち、明らかにオリジナルデータと異なるデータを使用した箇所が2つ確認できたほか、図の確認過程で、疑義として指摘されていない同じようなデータの誤りが1つ確認されたとされるが、いずれも故意に真正でない結果をはる理由が見当たらないこと、3箇所とも同じように結果を取り違えていることなどから、過失であったと判断されたという。

また2本目の論文「Differential sensitivity of v-Myb and c-Myb to Wnt-1-induced protein degradation」に対する疑義の多くが複数の図で同じデータを使っていることや、グラフの不自然さを指摘したものであったが、これらについては複数で同じデータを使っていることを確認したが、結果は真正なものであったほか、グラフの不自然さについてもオリジナルデータにて不自然な点がないことが確認されたという。

このほか理研では、さらに疑義が通報されていた同氏の10件の論文も調査を行ったが、いずれもオリジナルデータを確認した結果、指摘された内容は結果の真正さを損なわせるものではないもの、あるいは研究不正であるとする具体的かつ合理的な理由が示されていないものであったとしている。

1件目の論文で疑義とされた図。4つの因子(Atf-2、Gadd45α、p53、Maspin)と1つのコントロール(Gapdh)を比較した図だが、いずれの疑義についても不正にあたらないことを確認したとする