日本IBMは9月12日、国内における新たな事業の創造を目的に、ベンチャー企業を支援するプログラム「BlueHub(ブルーハブ)」を開始すると発表した。このプログラムはグローバルの取り組みではなく、日本IBM独自のものだという。

BlueHubプログラムは、スタートアップ企業の斬新なアイディアを事業化する支援として、パートナー企業と協力して、オフィスとして利用できるシェアード・スペースの提供、創業前に必要な事業計画をまとめた資料作成などの起業相談、およびワークショップの共同開催などを行う。詳細は、今後発表するという。

2つのシェアード・スペースと提携して支援

日本IBMは、プログラムの提供開始にあたり、サムライインキュベートや会員制シェアードワークプレイス「co-ba shibuya」を運営するツクルバと協力。10月から対象企業の選考を開始する。

日本IBM マーケティング&コミュニケーションズ デマンド・プログラム 理事 キャサリン・ソラッゾ氏

日本IBM マーケティング&コミュニケーションズ デマンド・プログラム 理事 キャサリン・ソラッゾ氏は、ベンチャー支援を始める目的について「これまでIBMはエンタープライズや中堅企業に注力してきたが、最近の主要な技術であるクラウド、アナリティクス、モバイル、ソーシャル、セキュリティの分野は非常に広範囲に渡っており、今後はスモールビジネスや新規開発者にも焦点を当てていかなくてはならない。これらの領域ではベンチャーが新たなテクノロジーを開発しており、成長を遂げている。そのため、今後IBMはこれまでと異なる切り口で取り組んでいかなければないと考え「BlueHub」を開始した。そして、スタートアップ企業で今何が起こっているのかを学習したい」と述べた。

プログラムに協力するサムライインキュベートは、ベンチャーの創業期支援に特化しており、現在80社ほどの企業を支援しているという。具体的にはワーキングスペースの提供や資金支援を行っている。

サムライインキュベート セールス ディレクター 両角将太氏は、「目利きや育成ノウハウなど、弊社がこれまで培った企業支援のノウハウを活用して、IBMさんと共同支援し、シナジー効果を出していきたい」と語った。特にIBMの営業力とマーケティング力に期待しているという。

一方、ツクルバではワーキングスペース「co-ba」を提供し、コミュニティ作りもサポートしている。将来的には47都道府県に「co-ba」を提供し、どこにいっても仕事ができる環境を整えていく予定だという。

ツクルバ 代表取締役 CEOの村上浩輝氏は、「ネットベンチャーが出始めたのは96年ごろからだが、最近はネットの固定費も安く、シェアードスペースもありコストが小さくなっており、起業しやすくなっている。今回のように、IBMのような大きな企業が先導して支援していくのはすばらしい取り組みだ」と述べた。

左からサムライインキュベート セールス ディレクター 両角将太氏、日本IBM 理事 キャサリン・ソラッゾ氏、ツクルバ 代表取締役 CCO/クリエイティブ・ディレクター 中村真広氏、ツクルバ 代表取締役 CEOの村上浩輝氏