日立製作所は9月11日、強い光の反射などにより映像の一部分が白とびする視認性の悪い環境下でも、瞬時にブレなく白とびを補正し、鮮明な映像を撮影することのできる撮像処理技術を開発したと発表した。

これまで、霧除去や逆光補正といった技術の開発が進められてきたものの、突然明るい被写体が映りこんだ場合の白とびを鮮明に撮影する技術には課題があった。白とびがある映像を見やすくするためには、明るさを抑えるように露出を調整するが、明るさを抑えたことでその他の部分に黒つぶれが発生してまう。この問題に対しては露出の異なる複数枚の映像を合成し1枚の映像を作成するハイダイナミックレンジ合成という技術が開発されているが、動きのある被写体に対してはブレが発生してしまうという課題が残っていた。

今回の新技術では、映像の一部が白とびするような悪環境下でも瞬時に露出を補正し、動きのある被写体でもはっきりと見えるようにすることができる。白とびが起きないよう瞬時に露出を調整する技術と、かつ従来のような合成処理を行うことなく補正できるため、突然明るい被写体が入った場合でも最大0.23秒の処理時間で鮮明な映像の撮影が可能だという。

同社は、この技術の監視カメラや車載カメラ、ビデオカメラなどの広範囲な分野への活用を期待しており、これを北米や欧州向けに提供している監視カメラモジュールの機能の一つとして加え、今月から販売を開始した。

なお、同技術の詳細は2014年10月2日から3日まで開催される「電子情報通信学会 画像工学研究会」で公表される予定となっている。

同技術を適用した映像の例