MMD研究所が9月9日に発表が噂されている新型iPhoneに関する「購入意向調査」の結果を公表した。それによると35.7%が購入意向を示し、購入希望キャリアはソフトバンクがトップだった。本稿では、その理由について考察してみたい。

購入意向キャリア首位はソフトバンク、過去の調査でも好結果

本調査は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話・スマートフォン利用者各1,000人(合計3,000人)を対象に行われたもの。インターネット調査による方法で、20代~60代のユーザーから回答を得た。調査期間は2014年8月27日から29日まで。

新型iPhone(iPhone 6)の購入意向を聞いたところ、「購入したい」が16.9%、「やや購入したい」が18.9%となり、合わせて35.7%が「購入意向」を示した。携帯キャリア利用者別に見ていくと、購入意向が最も高いのはソフトバンクの利用者で42.9%、次いでNTTドコモの利用者が33.5%、auの利用者が30.8%となった。

新型iPhone(iPhone 6)の購入意向

次に、購入希望者(NTTドコモ335人、au利用者308人、ソフトバンク利用者429人)に、どこから新iPhoneを購入したいか聞いた。結果はソフトバンクが31.7%で最も多く、次いでauが24.2%、NTTドコモが19.9%の順。以降、決めていないが17.8%、SIMフリー版が6.4%という結果になった。

購入希望キャリアは、ソフトバンクがトップだった

なぜソフトバンクが一番人気に?

既述の通り、購入意向が最も高いのはソフトバンクの利用者で、新iPhoneを購入したいキャリアでもソフトバンクが一番人気だった。ここで、その理由について考えてみたい。NTTドコモ、auという選択肢があるにも関わらず、ソフトバンクのiPhoneが選ばれる理由はどこにあるのだろうか。

ひとつの参考になるのは、MMD研究所が6月に発表した通信速度調査の結果。「全国主要14都市95カ所」で実施したもので、Android/iPhoneともにソフトバンクが最速という結果になっている。

本調査では、各社のiPhone 5cを使用している。調査結果によると14都市95カ所のダウンロード平均スピードは、iPhoneではソフトバンクが29.67Mbps、ドコモが25.33Mbps、auが20.67Mbpsだった。下りの平均速度が20Mbps以上だった調査スポット数を調べると、iPhoneではソフトバンクが72カ所、ドコモが59カ所、auが40カ所となったという。

6月に公表された、全国14都市での速度調査の結果。ソフトバンクのiPhone/ Androidが通信速度でトップに踊り出ている

また、MNP利用者の満足度を聞いた調査結果も参考になるだろう。これはMMD研究所が7月に公表したもの。それによると、ソフトバンクへのMNP利用者が最も「つながりやすさ、通信の速さ」を実感しているという。

ソフトバンクのネットワークは通信速度が速く、つながりやすさでも利用者の満足度が得られている。そうした定評から、新型iPhoneの購入希望者はソフトバンクを選んでいると考えられるだろう。

同社のネットワークは、2.1GHz帯と1.7GHz帯の周波数を使用した「倍速ダブルLTE」やAXGP/FDD-LTEの両方の通信方式に対応した「Hybrid 4G LTE」などが特長。このほか、スマートフォンユーザーから月間18億件(2014年5月現在)の通信ログを集めて電波の改善に活用しているほか、通信が集中する都市部には「小セル設計」で基地局を設置。"パケ詰まり"と呼ばれる、「電波は届いているのに通信が行えない」状態の発生を抑える工夫を行っている。ソフトバンクのこうした「つながりやすさ」への地道な取り組みが、今回の調査結果に反映している、と言ってよいだろう。

(執筆:大石はるか)