大幸薬品と自治医科大学(自治医大)は9月3日、蚊の忌避剤として二酸化塩素を有効成分として含有し、さらに亜塩素酸ナトリウムを1~20%、およびリン酸緩衝液を1~20%含有する「二酸化塩素ガス溶存液」を用いることについて、特許を取得したと発表した。
同特許は、「蚊類に属する節足動物の、(1)寄せ付けないための忌避剤、(2)刺咬を防ぐための刺咬忌避剤、(3)マラリアなどの節足動物媒介病の予防剤として、二酸化塩素ガス溶存液を用いることができる」というもので、忌避作用については、両者の共同研究論文として「Medical Entomology and Zoology」にすでに掲載済み。
論文中では、二酸化塩素ガス溶存液に加えて、低濃度(0.03ppm)の二酸化塩素ガスが蚊を忌避することが報告されており、今回の特許取得は、この技術の活用として、マラリアやデング熱などを媒介する蚊の忌避への利用などを想定して行われたとのことで、大幸薬品では、二酸化塩素ガス溶存液の新たな用途を拓く1つとなると説明している。
なお同社では、低濃度二酸化塩素を用いた高度な衛生対策が可能となる社会をめざし、自社や研究機関の協力を得て、二酸化塩素の安全性、有効性の研究と、技術開発を今後も進めていくとしている。