キーサイト・テクノロジーは8月8日、「Data Over Cable Service Interface Specification(DOCSIS)」の最新規格である「DOCSIS 3.1」の評価向けに、最大192MHz帯域の信号生成・解析に対応したハードウェアならびにソフトウェアを発表した。

同規格は、直交周波数分割多重(OFDM)や低密度パリティチェック(LPDC)前方誤り訂正(FEC)技術などの活用により、高速・大容量化を実現しており、前世代比で、同一スペクトラム上で、最大50%のスループット向上を果たしているほか、アップストリーム側2.5Gbpsの転送速度と、既存のHFC(hybrid fiber-coaxial)ネットワークでのダウンストリーム側10Gbpsが仕様として策定されている。

信号生成については、大容量メモリ、最大5GHz帯域幅、優れたスプリアスフリー・ダイナミックレンジ(SFDR)を実現した任意波形発生器(AWG)「M8190A」を提供することで、DOCSIS 3.1の信号に現実のネットワークにおける信号ストレスを再現することが可能となり、既存のHFCネットワーク上で伝送試験を行うことが可能となった。

またM8190A AWGと「M9099波形生成アプリケーションソフトウェア」を組み合わせることで、コード化前のDOCSIS3.1波形の生成が可能であり、これにより部品レベルのテストも行うことが可能なほか、ESL設計ソフトウェア「SystemVue」では、コード化されたDOCSIS3.1送受信シミュレーションライブラリが提供されており、これによりM8190A AWGで波形を発生させたり、LDPCデコードでのBERT試験を実行したりすることが可能となる。

一方の信号解析では、8チャネルAXIe高速デジタイザ「M9703A」、もしくはその2チャネル版PCIe 12ビット高速デジタイザ「U5303A」により、DCから2GHzまでの入力信号に対応可能なほか、チャネルインタリーブ機能により、M9703Aもしくは1チャネル構成のU5303Aで、4チャネル構成が可能になるとのことで、これにより、DCから1.4GHzまでのDOCSIS 3.1波形を、優れたダイナミックレンジで捕捉することが可能になると同社では説明している。

DOCSIS 3.1向け評価テストのイメージ