National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は8月7日、堅牢で再構成可能な組込制御/データ集録システムの構築に適したNI CompactRIOプラットフォームのラインアップとして、新たに4種類の高性能コントローラ「NI cRIO-9030/9031/9033/9034」を追加すると発表した。

近年、状態監視やマシンコントロール分野では、多チャネル同時計測および高速データ演算処理に対するニーズが高まっている。しかし、従来からあるPLCやシングルボードコンピュータのようにプロセッサのみを搭載したコントローラでは処理能力の面で対応できなくなっている。一方、高速演算用途としてFPGAが注目されているが、そのプログラミングには高い専門性が要求され、ユーザーにとって導入障壁となっている。今回、この課題を解決するために、CompactRIOのラインナップを拡充したという。

同製品群は、リアルタイムOSとしてNI Linux Real-Timeを採用し、「Intel Atomプロセッサ」とXilinxのFPGA「Kintex-7」を搭載しており、「LabVIEW 2014」を用いてプログラミングすることで、アプリケーションに合ったコントローラを自由に設計することができる。「LabVIEW」では、リアルタイムOSとFPGAプログラミングの両方が単一の開発環境で行えるため、複数の開発言語に精通していなくてもCompactRIOに搭載されたリアルタイムOS、プロセッサ、FPGAの性能をフルに引き出すことができるため、開発効率が向上する。さらに、従来のPLCやシングルボードコンピュータでは困難だった多チャネルデータ集録、高速データ演算処理、カスタムタイミング/トリガ機能が実現できる。このように新型コントローラはソフトウェアによるカスタマイズ性を高めていることから、ソフトウェア設計型(Software-Designed)コントローラと呼ばれているとしている。

なお、価格は37万5000円(税抜き)から。　　

CompactRIOプラットフォームの高性能コントローラ「NI cRIO-9033」