日本の店舗デザインでよいと思うところは?

街に出れば数え切れないほどのお店があります。扱う商品や用途、街の規模によっても店構えやデザインは大きく違いますが、空間の取り方や棚の作り方、動線の考え方はその国の風土や国土、人に合わせたものになっているといえます。となると、海外から来た人たちに日本のお店のデザインはどう見えているのでしょう?

今回は、日本在住の外国人20名に「日本の店舗デザインでよいと思うところは?」と質問してみました。

■ウィンドーに並んだ商品サンプル。(オーストラリア/40代前半/男性)
■秩序とライティング。 (スペイン/30代後半/男性)
■商品の位置が一目瞭然なところ。(中国/30代前半/女性)
■商品がいろいろあるという印象を与えてくれるところ。(ベトナム/30代前半/女性)
■車のお店など、商品を見やすくしている感じがいいと思います。(ブラジル/50代前半/女性)
■小さくて効率がよい。(インドネシア/30代前半/女性)
■空間を有効利用している。(インドネシア/30代後半/男性)
■お店によります。ごちゃごちゃしている店舗も多いですが、最近はすてきなデザインが増えています。(スウェーデン/40代後半/女性)

海外から来たお店、例えばIKEAやコストコなど倉庫のような場所にたっぷりと空間が取られたお店に行くとそのスケール感に驚くことがあります。数日間の食品を車で買いに行くという生活スタイルに沿っているからそうなるわけですが、こちらの回答群はその対極にあるよさと言えそうです。

小さな空間にも関わらず、商品がきちんと分類され、見えやすく、取りやすく陳列されているのが日本。因みに、一般的な規模のコンビニですら、約2,500種類の商品がつねに準備されているそう。海外のみなさんが「小さくて効率がよい」と評価するのも頷けますよね。

■レストランのカウンター(イギリス/40代後半/男性)
■回転寿司。(ドイツ/30代後半/男性)

カウンターは空間の問題に多少なりとも関わっていそうですね。同じカウンターでもファミレススタイルが増えているなど、独特な進化を遂げる回転寿司。海外の方々に人気だそうですが、店内の近未来感やベルトコンベアーが見せるアトラクション感には、ここはもうお寿司屋さんではないのでは……と日本人の筆者にすら思わせる迫力と個性があります。

■日本の60~70年代の雰囲気を再現している、またはその時代から残っているオリジナルなお店が格好いいです。(ロシア/20代後半/女性)
■和風なデザイン、素材感があるもの。(イタリア/30代後半/女性)
■伝統的。(トルコ/20代後半/女性)
■和菓子屋。(スリランカ/50代後半/男性)
■漢字を使ってデザインするところ。(ポーランド/20代後半/女性)
■かっこいい。(ペルー/40代後半/男性)

定食屋さんやお食事処などレトロ感のあるお店、おそば屋さんや和菓子屋さんのような古き良き日本の雰囲気があるお店は安定した人気がありますね。こうしたお店は筆文字でお品書きがされていたり、お店の人と会話をできる雰囲気があったりと、その場の時間もゆっくり流れているところがどことなく多いような……。効率のよさが評価される一方で、こうした和の穏やかさがある空間も評価される。両極端の良さが混在する国であることを改めて実感させられます。

■レジの人が笑顔で、商品もきれいに包んでくれる。(フランス/30代後半/男性)
■入りやすさ。(韓国/40代後半/男性)

百貨店や一般的なお店であれば、店員さんたちはみな笑顔で迎えてくれますから、気分よく買い物ができる空間であることは間違いありません。また、包装に関しては、日本人が海外で買い物をすると包装の簡素さや素朴さに驚くことがありますが、フランスの方の回答はそうした面の裏返しなのでしょう。

効率のよさを感じさせる店舗デザインと故き良き時代を感じさせる空間、どちらも長所としてあがってくるのが日本ならでは。また「回転寿司」や「ショーウィンドーの食品サンプル」などを観光名所として人気のある場所に繋がる回答もあり、外国人のみなさんがどんな部分に興味を持っているかが改めて実感できるアンケートでした。