Cadence Design Systemsは7月23日(現地時間)、一般的なPCB設計プロセスを加速し、生産性と効率を飛躍的に向上させる「OrCAD」シリーズ3種類を発表した。

今回発表された「OrCAD」シリーズは、OrCAD Capture用の包括的協調作業、および管理環境の「OrCAD Engineering Data Management(EDM)」、簡便な自動パーツライブラリ構築の「OrCAD Library Builder」、インテリジェントな自動PCBドキュメント作成環境の「OrCAD Documentation Editor」の3種類である。このうち、「OrCAD EDM」は、OrCAD Capture環境下で、エンジニアのチーム間での効率的な協調回路図設計および管理を可能とし、簡便かつ直感的なユーザーインタフェースと設計およびデータ管理機能との組み合わせにより、回路図設計プロセスを通じてデータの整合性とプロジェクトのステータスを誤りなく管理することができる。EDMは、場所を隔てたエンジニアのグループ共同作業を可能とし、チーム全体の生産性と効率を向上させる。

「OrCAD Library Builder」は、同時検証による系統的開発アプローチの自動化により、オンラインの部品カタログやPDFのデバイス仕様書から部品IPを取り込んで迅速に「OrCAD」パーツライブラリを完成させることができる、単一統合化環境である。自動化と対話形式による技術によって、複雑なパーツでは最大70%ものパーツ生成時間の大幅短縮が可能となるのに加え、先進のPDFデータシート抽出技術によって、パーツを構築するための、何時間もかかるようなデータの手入力や、ピンの対応表や対応図からのデータ生成の手間を省ける。

「OrCAD Documentation Editor」は、インテリジェントな対話形式のPCBドキュメント作成環境で、文書の各要素、製造ビュー、詳細情報、表の自動生成により、PCBの文書化プロセスを改善、簡便化する。また、PCBの設計データを直接活用する先進技術で、ECO(設計変更要求)の同期や動的コンテンツを可能とする他、ドキュメントの作成から配布までのプロセス全体を効率化し、文書化に要する時間を60~80%軽減することによってPCB設計時間を短縮するとしている。