JPCERT/CCが運営するフィッシング対策協議会は7月18日、フィッシングの被害状況、フィッシングの攻撃技術・手法などをとりまとめた「フィッシングレポート2014 - 急増する不正送金とフィッシング -」を公開した。

レポートによると、2012年に大きく増加したフィッシング被害は、2013年に急増しており、現在ではさらに深刻化しているという。特に問題になっているのは、フィッシングレポート2013で指摘したマルウェアを用いた手法による被害。

警察庁の発表によれば、インターネットバンキング利用者の口座情報を様々なウイルスやマルウェアを用いて盗み取り、利用者の口座から不正送金する事件が急増した。

2012年には64件、約4800万円だった被害額が、2013年には1315件、約14億600万円に増加し、前年比29倍に達している。

フィッシング対策協議会に対するフィッシング情報の届出件数は、2012年度の828件から、2013年度には1万5171件と対前年比で約17倍以上の急増を記録した。

これは7月以降、オンラインゲームを対象としたフィッシングの届出が急増し、11月以降はオンラインゲームに加え金融機関を対象としたフィッシングの届出が増加したためとみられている。

一方でフィッシングサイトの件数は2012年度の2286件から、2013年度では2,522件、ブランド名を悪用された企業数は2012年度の117件から2013年度の136件と、前年に比べて、大きな変化はなかった。

これはフィッシングの対象となるブランド数は頭打ちの傾向にあることと、犯罪者がターゲットとするブランドが固定化しつつあることを示している。