東京工科大学は6月25日、ある種の乳酸菌に「浅漬け」による食中毒を防ぐ効果があることを発見したと発表した。

同成果は、同大応用生物学部の西野智彦准教授らによるもの。詳細は、9月に開催される「日本防菌防黴学会第41回年次大会」などで発表される予定だという。

浅漬けは短期間で手軽に作れる漬物だが、低塩分(塩分濃度2.0~2.5%)であるため、漬物でありながら食中毒事例が報告されるなど、現在の日本の漬物の衛生規範では塩素消毒が推奨されている。今回の研究は、浅漬けの漬け込み時に乳酸菌を加えて増殖させることで、食中毒を起こす可能性のある雑菌の増殖が防げるかどうかの調査を目的に行われた。

さまざまな乳酸菌を試したところ、市販漬物から選ばれた浅漬け製造に適した乳酸菌の1つに大腸菌増殖抑制効果があることが判明。この効果について研究グループは、乳酸菌の酸生成速度が速いことにより、漬け物が短期間で低pHになることが主な原因と考えられると説明。また、浅漬け中の同菌株はヒトの消化管ストレスを模倣した人工胃液・胆汁連続処理に耐えられたことから、ヒトの大腸に生きた状態で届くと予想され、プロバイオティクスとしても有用であると考えられるとコメントしている。

さらに官能評価を行った結果、乳酸菌が増殖しても浅漬けの風味を劣化させないことも分かったことから、研究グループでは、浅漬け製造において乳酸菌発酵を行なわせることで、より安全性の高い浅漬けを製造できる可能性が示されたとしており、今後、商品化に向けた検討を行っていきたいとしている。

分離した乳酸菌の大腸菌増殖抑制効果