エンバカデロ・テクノロジーズは6月19日、同社が4月にローンチしたマルチデバイス向けアプリケーション開発プラットフォーム「Appmethod(アップメソッド)」の新バーションの提供を開始した。従来のバージョンで提供されていた開発言語「Object Pascal」に加え、C++をサポート。新たなライセンス体系として、C++でのAndroid向けアプリの開発が無期限で可能な「無料プラン」が加わった。

Appmethodは、同社の提供するビジュアル開発ツール「Delphi」と「C++Builder」を、マルチデバイス向け開発機能に絞って再構成したものとなる。CPUによる直接的な演算処理を実行するネイティブコードがマルチデバイスへの対応を実現し、デバイスの性能を活かしたセキュアなアプリケーションの構築を可能にする。

また、コンポーネントと呼ばれるプログラム部品をドラッグ&ドロップして開発する「ビジュアルRAD」手法を利用してアプリケーションを作成することで、記述しなければならないコード量を削減。一度開発したアプリケーションコードは、他のデバイス向けにも僅かな修正で利用でき、複数デバイスへの対応も効率的に行うことが可能だ。

今回の新バージョンの特長は、無料プランの設置により「C++でのAndroidアプリが無料・無制限」なほか「30日間はAppmethodの全機能が無料」で使用可能となったことであろう。同社は、このように無料提供枠を拡大した目的を「使い勝手の良さを体感してもらうこと」としている。ただし、30日経過以降、Android向け以外のアプリも開発する場合は、有償プランへの移行が必須だ。

プラン別価格表・追加オプション内容

新バージョンでは、C++言語によってAndroidやiOS、Windows、Mac OS X、およびGoogle Glassなどのウェアラブルデバイス向けの開発をサポートしたほか、UIの構築やセンサー機能の利用、アプリ内課金、アプリ内広告といった100種類以上のコンポーネントフレームワークが利用できる。

加えて、ビジネスプランでは、エンタープライズデータベースや企業のバックエンドシステムと連携するためのミドルウェア機能も搭載しており、ビジネス用途のモバイルアプリの開発にも対応した。オプション機能という位置づけとなっているため、運用段階で追加使用料が発生する。連携機能では、RESTやSOAPベースの任意のサービス、ParseやKinveyといったMBaaSサービス、SecureAuthやShephertzといったクラウドサービスへのサポートも充実している。

なお、Appmethodで使用できる言語は、日本語のほか、英語やドイツ語、フランス語で、オフショア開発等での活躍も期待できる。無料プラン以外の提供価格は年間サブスクリプション(利用料)契約となっており、個人プランが3万4000円、ビジネスプランは11万円。作成したアプリケーションはパブリックストア(Apple App StoreやAmazonApp Store、Google Play)での公開が可能で、ビジネスプランでは、企業内外向けにアプリ提供が可能だ。