アンリツは6月9日、広帯域ベクトルネットワークアナライザシステム「ME7838D」を発表した。

同製品は、情報通信システムやレーダなどで利用されるマイクロ波・ミリ波デバイスのモデリングや特性評価で使用されるベクトルネットワークアナライザである。現在、情報通信システムやレーダでは、120GHz帯高速画像通信システムや140GHz帯高解像度レーダなど、110GHzを超える次世代技術の研究・開発が進展し、広帯域なネットワークアナライザのニーズが高まっているという。そこで、従来品「ME7838A」の測定周波数帯域70kHz~110GHzを拡張し、「ME7838D」では70kHz~145GHzの広帯域をカバーした。

また、「ME7838A」で110GHzを超える測定を行う場合、110GHz超の導波管システムを別途購入する必要があり、設備投資が高額化した。さらに、110GHzまでと110GHz超の測定を個別に行い、各々の測定結果を統合するという煩雑な作業が必要だった。これに対し、「ME7838D」は70kHz~145GHzの周波数帯域に対応する他、基本性能にも優れ、125GHzの周波数測定で100dB以上、145GHzで90dB以上というダイナミックレンジを実現。標準モデルの「ME7838D」を使用することにより、広範な周波数帯域の一括測定が、低コストかつ高品質に行えるとしている。

アンリツの広帯域ベクトルネットワークアナライザシステム「ME7838D」