大阪大学サイバーメディアセンターは6月2日、吹田キャンパス内、豊中キャンパス内・豊中データステーション、およびうめきた拠点(大阪市北区)に、計算シミュレーションや科学的可視化などの目的で、世界最高水準の大規模可視化システムを導入したことを発表した。

24面フラット3Dディスプレイ

本システムは、大型・高精細・3Dという3つの特徴を備える「大型3Dタイルドディスプレイ」2式(構築:サイバネットシステム)と、ソフトウェア設定でのハードウェア構成変更を実現する「フレキシブルリソースプールシステム」1式(構築:日本電気)により構成されている。

大阪大学は、「京」を中核として全国の主要なスーパーコンピュータを高速ネットワークでつなぐ「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」に参画している。「大型3Dタイルドディスプレイ」を用いれば、HPCIでの大規模な計算結果をできるだけ損なうことなく可視化可能だ。

HPCIでの大規模な計算結果を柔軟に表示するため、様々なソフトウェアを導入している。シミュレーションの可視化で多くの研究者に使われているAVSのデータを、そのままバーチャルリアリティ環境に移行できる、大画面・立体視対応の汎用可視化ソフトウェア「AVS/Express MPE」、複数の3Dアプリケーションをリアルタイムにひとつの3次元空間として表示できる「FusionVR」、3DCGコンテンツを立体映像コンテンツに変換する「VR4MAX」などだ。

今後、大阪大学サイバーメディアセンターでは、導入した大規模可視化システムを核として、可視化技術や可視化技法に関する講習会、セミナー、ワークショップなどの開催、コンサルテーションなどの様々な可視化サービスを展開していくとした。