計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは5月30日、同社のXシリーズ シグナル・アナライザ「MXA」および「EXA」の機能を拡張すると発表した。

今回の機能拡張により、2シリーズにはノイズフロア低減(NFE)機能のオプションが提供され、従来以上の高感度を実現できるようになる。これにより、TOI(3次インターセプトポイント)性能を犠牲にすることなく、感度が約9dB向上するという。また、従来の測定方法では被測定信号と測定器内部のノイズが足しあわされて測定結果として表示されていたが、NFE機能では先端のノイズモデリング技術により、測定器内部で発生するノイズ成分をリアルタイムで除去することが可能となる。

ちなみに、この機能はハードウェアの追加なく、ライセンスキーのみでアップグレードが可能で、校正のために同社にハードウェアを送付する必要もないという。

このほか、新たに数種対のスマートプリアンプが提供される。同スマートプリアンプは、Xシリーズ全モデルで利用可能で、プリアンプの利得など情報はシグナル・アライザに読み込まれ、必要補正を自動的に実施でき、これにより、感度や雑音指数をさらに改善することが可能になるとする。

さらに、新たに原子周波数標準(AFR)オプションも提供。同オプションを活用することで、周波数安定度を向上することが可能で、長期周波数安定度を100倍改善することができるようになるという。

またMXAでは、外付けミキシングオプションにより、対応周波数を従来の26.5GHzから110GHz(Agilent M1970スマートミキサー使用時)、1.1THz(ADIの周波数エクステンダ使用時)まで引き上げることが可能となる。

なお、各オプションともに即日提供を開始しており、価格は33万8627円(税別)から、となっている。

NFE機能の活用により、TOI(3次インターセプトポイント)性能を犠牲にすることなく、感度を約9dB向上させることが可能となる