米Facebookは5月21日、マルウェア対策プログラムを無料のアドオンとして提供すると発表した。セキュリティベンダーのTrendMicroとF-Secureの2社と提携し、マルウェアに感染していると思われるユーザーに対し、2社のセキュリティソフトウェアをダウンロードするように推奨メッセージを表示していく。
この取り組みは、2社のマルウェア対策プログラムを、既存の不正利用検出・予防システムに組み込んだもの。この不正利用検出・予防システムは、悪意あるリンクやサイトの遮断のためのソフトウェアとして利用されている。Facebookを安全に利用するために用意されており、無償で提供される。
Facebookにアクセスする端末がマルウェアに感染している関係で疑わしい動きをしていると判断した際は、以下のような形で確認を促すという。
ログインの際にマルウェア感染の可能性を警告するポップ通知画面が表示される。その画面には、ユーザーの状況に応じてF-Secureのマルウェアスキャン・クリーンナップ技術、あるいはTrendMicroのHouseCallのどちらかのスキャナー技術が表示される。
スキャナーをダウンロードして動かす場合、プログラムはFacebookやその他のサービスの利用を継続する間に実行される。スキャンが終了後、Facebookより通知があり、スキャンの結果が表示される。
Facebookによると、両製品ともデジタル署名付きのマルウェアなどにも対処できるほか、それぞれ異なる種類の脅威への対策に適しているという。なお、製品のメンテナンスをする必要はなく、常に最新の状態に保たれ、起動後は削除されるとのことだ。
ユーザーは、ポップアップ画面でマルウェア削除プロセスを選択し、推奨されたスキャナーのダウンロードを行わないことを選ぶことも可能だ。マルウェア削除プロセスをスキップした場合、その後再度表示される可能性があるという。Facebookでは「すでに自分のマシンにアンチウイルスソフトなどのようなプログラムを導入しているという場合も、提案された製品を利用することを推奨する」と説明している。
FacebookはTrendMicroとF-Secureとの取引について財務条件などの詳細は明らかにしていない。2社との提携は独占的なものではなく、今後オプションを増やしていくとしている。