Mozillaは5月14日(米国時間)、Adobeのデジタル著作権管理(DRM)技術をPC用ブラウザ「Firefox」(Windows、Mac、Linux)に採用することを発表した。

暗号メディア拡張EME(Encrypt Media Extensions)を採用し、DRM保護されたビデオおよびオーディオにアクセスできるようにAdobeのDRM技術「Adobe Access」をFirefoxに統合する。正式版に実装される時期は不明。他の新機能と同じように、正式版で公開する前に開発版を通じたテストを行う。

Mozillaはユーザーの自由を奪うDRMに否定的な立場だが、FlashやSilverlightなどの追加を必要とせず、ブラウザで直接DRM保護されたコンテンツを扱う方法の導入を他のブラウザベンダーは押し進めている。MozillaのMitchell Baker会長は「古いシステム(Flashなど)は間もなく使われなくなり、DRMの新たな実装が、ブラウザでDRM保護されたコンテンツにアクセスする唯一の方法になる」と指摘。DRM保護されたコンテンツにFirefoxでアクセスする選択をFirefoxユーザーに提供するために、DRM技術の実装を決めた。DRM機能のオン/オフは、各ユーザーがコントロールできるようにする。DRM技術を採用した後も、引き続きDRMに代わるソリューションの実現を目指すとしている。