鹿島は4月24日、積水成型工業、東京大学石田哲也教授と共同で、さらに美しいコンクリートの実現を目的とした、「美(うつく)シール工法」を開発したことを発表した。本工法は型枠にシートを貼るだけでコンクリートの品質向上が可能となる。

美シール工法で用いる高撥水性特殊シート「美(うつく)シート」

美シール工法は、高撥水性特殊シートを型枠表面に予め貼りつけてコンクリートを打設するだけという、非常に容易な工法だ。シートを貼ることで表面側への水分の移動が抑制されるため、型枠との間に水膜ができず、水分がコンクリート内部にとどまるという。この結果、コンクリートが自ら持つ水分で自らを保水養生することとなり、また表面も緻密に仕上がるとした。

通常の型枠で作製したコンクリート

美シール工法で作製したコンクリート

 美シール工法で用いる高撥水性特殊シート「美シート」は、型枠への貼りつけを考慮して、施工性などに工夫を施したシートだ。美シートを使って作製したコンクリートは、表面の色つやに極めて優れ、表層品質の向上に有効であることが確認できる。

鹿島は、今後さらにノウハウを蓄積しつつ、コンクリート構造物全般へと水平展開して、更なる表層品質の向上を目指していくとした。