今、アジアの人々は「日本に行きたい」という熱が非常に高まっている。その大きな理由のひとつに「人間ドッグを受けたい」という要望がある。
医療大国日本!
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先日、ベトナムの旅行業協会のトップが来日した。裕福になったベトナム人向けに、日本への旅行商品を開発したいと言う。彼が数日間かけて回った先は、観光地ではなく東京、大阪などの大都市の病院だった。各地の病院を回り、人間ドッグの対応について調査していたのだ。
その理由を聞くと、現在はシンガポールなどへ医療を目的とした旅が多く、金額も安い。しかし、サービス面については不満が多く、人間ドッグツアーを大々的にスタートさせるには至っていない。反面、日本の医療や人間ドッグのサービスは、非常にきめ細かく丁寧で良心的。そんなハイレベルのサービスをベトナム人が受けられるようにしたいということだった。観光ツアーと異なり、簡単には旅行商品を作ることができないが、需要は十分にあるとみて、継続的に折衝をしていきたいとのことだ。
新しいビジネスのチャンスが…?
他の国も同じ状況で、日本の医療についての評価は抜群に高い。私たちが何気に受けているサービス一つひとつが、アジアの国々からすると格別に見えるのだ。私も中国やベトナムの病院に行ったが、衛生面や機材、サービス面、そして何より安心感について、「正直ここには入院したくない」と思う所ばかりだった。
もちろん、日本の病院もいろいろあるが、トップクラスの病院のサービスは素晴らしい。こうした日本人の考え方やサービス精神を元に作られたものが「日本ブランド」であり、自らアピールしなくても世界から注目され、求められるようになった。これもひとつのヒントだろう。
アジアとのビジネスは、比較的難しい。特に、交渉現場において費用に関する事は簡単ではない。しかし、付加価値をつけて日本からしか買えないものがあるとすれば、一気に問題解消に至るだろう。
これから、日本が何をビジネスにしていくべきか? その答えがある。
秋山岳久
1963年生まれ。東京都出身。大手ITメーカー勤務。PCのマーケティング担当する傍ら、アジアで活動するバンド「GYPSY QUEEN」のリーダーを務め、ブルネイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、中国、モンゴル、日本の10カ国において10年間で130回以上の公演活動を実施。特に中国では、17都市70回以上の公演を行い30万人を動員。その他、ASEANに関連するイベントや観光交流の事務局を務め、国のトップから実務担当者まで、10カ国で500人以上と接点を持つ。著書『アジアで勝ち抜くビジネススキル』(パブラボ/1,500円+税)