パナソニックは4月15日、低温水の余剰排熱を活用して発電する熱発電チューブを開発し、200時間を超える検証試験において96℃の温水排熱から、設置面積換算で太陽光発電の約4倍となる最大246W(換算値820W/m3)の発電性能を確認したと発表した。
同社ではこれまで、平板型の素子構造ではなく、チューブ型の発電素子(熱発電チューブ)の研究開発を進め、200℃以下の低温の未利用熱の活用を目指してきており、これまでに、京都市東北部クリーンセンターにおいて熱発電チューブを組み込んだ発電装置による、温水からの発電検証実験を実施してきており、今回、ごみ処理施設内の温水配管と冷却水配管の一部を、熱発電ユニット3台で構成される0.3m3の発電装置に置き換えることで、温水温度96℃、冷却水温度5℃の条件下で最大246Wの発電を達成できることを確認したという。
また、体積あたりの発電量(820W/m3)は設計値を10%以上上回っていたほか、発電装置は、200時間以上の運転で安定した発電を続けられることも確認されたとする。
なお、同社では今後も引き続き、施設内での発電検証試験を行うことで、熱発電ユニットの信頼性の向上を目指すとするほか、既存の施設への導入を容易にするため、より汎用性の高いシステム開発や、熱発電チューブそのものの量産化に向けた技術開発などの実用的な研究開発を行っていく予定としている。