ルノー日産アライアンス(RNBV)は3月17日、2016年までに少なくとも年間43億ユーロのシナジー効果の創出を目標に、2014年4月1日より「研究・開発」、「生産技術・物流」、「購買」、「人事」の4機能について統合を行うことを決定したと発表した。

この決定は2014年1月下旬に立ち上げた統合検討プロジェクトにて進められてきたもので、従業員代表組織(労働組合)への説明を経て、両社の経営会議および取締役会において確定されたという。

対象となる各機能には、各々を統括するアライアンス副社長が就任する予定で、アライアンス副社長は、新たに設立されるアライアンス マネジメント・コミッティの監督のもと、ルノーと日産共同でマネジメントにあたる予定だという。

「研究・開発」として両社は、コモン・モジュール・ファミリー(CMF)開発、先行開発、パワートレーン開発(電気自動車を含む)、システム開発、実験施設および実験機能を統合するとのことで、アライアンスの共通プラットフォーム・共通部品担当ダイレクターである山口豪氏が、アライアンス副社長に就任し、アライアンス技術開発を統括するという。

「生産技術・物流」は、アライアンス共同生産組織として、グローバル生産戦略(ソーシングを含む)、生産工程技術、生産管理およびサプライ・チェーン・マネジメントが対象になるとのことで、日産自動車の車両生産技術担当CVPの木村昌平氏が、アライアンス副社長に就任し、アライアンス生産技術・物流を統括するという。

「購買」は、共同購買組織としてすでに設立から10年以上が経過しており、今回の研究・開発と生産の主要機能の統合に伴い、さらなる購買におけるシナジー効果の増大と、より大きなスケール・メリットを見込んでいるという。ルノー・ニッサン・パーチェシング・オーガニザーション(ルノー・日産共同購買組織)のマネージング・ダイレクターであるクリスチャン ヴァンデンヘンデ氏が、アライアンス副社長に就任し、アライアンス購買を統括するという。

そして「人事」としては、グローバル事業の各社共通のタレント・マネジメント方針を含め、アライアンス全体を網羅する共通の人事プロセスを導入する計画で、ルノーの人事担当副社長のマリー フランソワーズ ダムザン氏が、アライアンス副社長に就任し、アライアンス人事を統括するほか、日産自動車 CEOオフィスとグローバル人事担当常務執行役員のグレッグ ケリー氏がアライアンス副社長に就任し、アライアンス タレント・マネジメントを担当するとしている。

このほか、CEOのゴーン氏を議長とするアライアンス マネジメント・コミッティが新設され、新たな組織体制の整備・展開の促進が図られるほか、ルノーの常務執行役員でアライアンスCEOオフィスとグローバル物流担当のマネージング・ダイレクターであるクリスチャン マルドリュス氏がRNBVのアライアンス副社長に就任し、アライアンスCEOオフィスを統括する予定としている。

なおRNBVでは、今回の決定について、1999年に誕生したRNBVの15年間にわたる進化のさらなるステップとなるものだと説明している。