Q.日本でよく見る母国のデザインは?

世界中のデザインやプロダクトが集まる日本。普段見慣れた街並みや生活にも、よく見るといろいろな国の製品が組み込まれていることがわかります。モノによっては「本国になくても日本でなら買える」ものもあるそうで、海外から来た人が驚くこともあるのだとか。

そこで今回は、日本在住の外国人20名に「日本で見かける母国のデザインやプロダクト」を紹介してもらいました。

・すぐに3つ思いつきます。浅草にあるフィリップ・スタルクによるスーパードライホールというアサヒビールの建物。そして、六本木ヒルズの前に立っているルイーズ・ブルジョワによる蜘蛛の彫刻。最後に、お台場にあるエッフェルとバルトルディによる自由の女神です。(フランス人/30代後半/男性)

アートの国、フランスならではの回答。隅田川沿いに見える、金色の雲のオブジェ(「フラムドール/金の炎」と言うそうです)のビル、といえばピンと来る人も多いのでは? スタルクはかつてセブン・イレブンとコラボレーションした雑貨を発売するなど、日本人にはなじみ深いアーティストです。ヒルズにある鉄の蜘蛛(「ママン」)は、待ち合わせ場所としてもおなじみですよね。

・バティックです。(インドネシア/30代後半/男性)
・バリ島のバッグとラタンの椅子などです。(インドネシア/30代前半/女性)
・魔よけのnazar boncukです。(トルコ/20代後半/女性)

こちらはアジア~中東各地の伝統工芸品の数々。植物などの柄をろうけつ染めにしたバティックは、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録された布地で、日本でもスカーフやシャツ、スカートなどが人気です。nazar bocuk(ナザール・ボンジュウ)は目玉の形をしたガラスの魔除け。邪悪な物をにらみつけて跳ね返す力があるんだそうですよ。

・ハワイアナスやメリッサなどです。(ブラジル/50代前半/女性)
・リップカールです。(オーストラリア/40代前半/男性)

海岸近くでの暮らしやサーフィンを楽しむライフスタイルが、ここ数年日本では人気。その傾向を示すブランド名として、カラフルからモダンまで幅広いデザインがあるビーチサンダルの「ハワイアナス」、本格的サーフブランドの「リップカール」があがりました。また、キュートなラバーシューズ人気の火つけ役となったブランドも。

・ザ・ボディショップやバーバリー、animation UKです。(イギリス/40代後半/男性)

ファッションやコスメなど形があるモノは当然のこと、エコやアート、クリエイティブなど文化に即したプロダクトに触れる機会も増えてきました。クリエイターの権利を保護する機関であるanimation UKの名前が上がるのは、海外のクリエイティブが日本に増えてきた証拠なのでしょう。

・いっぱいあります。一時的すごく流行っていたビョルンの抱っこひもや、BRIOの木のおもちゃ。ボルボの車など。(スウェーデン/40代後半/女性)
・マトリョーシカやチェブラーシカをたまに見かけます。(ロシア/20代後半/女性)
・最近、期間限定でナチュラルローソンでヴェーデルのチョコレートが買えるようになりました。またボレスワヴィエツの食器も人気がありますね。(ポーランド人/20代後半/女性)

女性の趣味・嗜好や生活に関するプロダクトも、近年ではとても幅が広がりました。子育てをがんばるママの役立ちアイテムや日常の暮らしを彩る食器、かわいいキャラクターなども含め、機能性もありながら目で見て楽しい、美しいデザインが多いようです。ちなみに、ボレスワヴィエツの食器は「ポーリッシュポタリー」として紹介されることも。

・アディダス製品です。(ドイツ/30代後半/男性)

老若男女問わず絶大な知名度を誇るスポーツブランド。スポーツシューズはもちろん、国内ではサッカー日本代表やジャイアンツのユニフォームを制作していることで有名です。ラップグループRUN D.M.C.の曲「my adidas」&トレフォイル(3枚の葉)マークのトラックジャージ&スーパースター姿を真似た音楽好きもいるのではないでしょうか。

・シボレー・コルベットです。(アメリカ/30代後半/男性)
・フェラーリ、マセラティなどの高級車とグッチ、ドルチェ&ガッバーナなどのファッションブランドです。(イタリア/30代後半/女性)

高級スポーツカーとハイファッションといえば海外ブランド。特に40代以上の人だとそんな憧れを持っていた人も多いのでは?街中で走るコルベットやフェラーリに思わず振り返ったという経験も少なからずあるのではないでしょうか。そんな魅力に満ちたデザインのひとつと言えます。

・セイロンティー、サファイヤやルビー、ムーンストーンなどの宝石類が有名です。(スリランカ/60代後半/男性)
・飲茶の点心(焼売、ワンタン)やドラゴンの絵などをよく見かけます。(中国/30代前半/女性)
・コーヒーや魚醤(ベトナムの伝統的な調味料)、麺類の材料です。アオザイや茶碗なども。(ベトナム/30代前半/女性)
・ドン・シモンのジュースやプロトスのワインです。(スペイン/30代後半/男性)
・インカ・コーラというコカ・コーラのような飲み物です。(ペルー/40代後半/男性)

世界の食が集まると言われている日本。どのジャンルの食べ物を食べてもおいしいと、海外からの旅行者が驚くことも多いそうです。そんな味の決めてとなる調味料をはじめ、食材や飲料などバリエーションの多彩さに改めて驚きます。

さまざまな形で日本に輸入されている海外のデザインやプロダクト。普段の生活はもちろん外出先、勤務先にもそうしたモノは多いはず。どこから来たデザインなのか、その国のアイデアや個性が日本でどうにアレンジされているかなども含めて、一度振り返ってみるのも楽しいかもしれませんね。