NXP、モータ制御用に最適化されたマイコン「LPC1500」シリーズを発表

NXP Semiconductorsは、高精度なモータ制御用に最適化されたマイコン「LPC1500」シリーズを発表した。

同製品は、高精度のセンサ付き/センサレス両方のモータの制御に必要な機能を全て備え、柔軟な設定が可能なため、異なるタイプの2台のモータを同時に制御することができる。また、高効率のモータ制御ファームウェア、使いやすいGUIベースのチューニングツール、2つの新しいモータ制御ソリューションキットにより、モータ制御の経験がなくてもモータ制御アプリケーションの評価、開発を簡単に行える環境が整っている。

「LPC1500」シリーズは、大型のホーム家電、冷暖房空調機器、工業用ポンプ、発電機などで広く使われている各種のブラシレスDC(BLDC)モータ、永久磁石同期モータ(PMSM)、ACインダクションモータ(ACIM)向けに最適化されている。また、デジタル電源、計測器など、高精度のデータサンプリングやリアルタイム制御を必要とする工業用アプリケーションにも適している。

具体的には、72MHzのARM Cortex-M3プロセッサを搭載し、多様なモータ制御アプリケーションに対応できる。さらに、2個の12ビット、12チャネル、2-Msps A/Dコンバータ(ADC)とオンチップQEI(Quadrature Encoder Interface)により、センサ付き/センサレス両方のモータの組み合わせを正確に制御することができる。そして、4個のオンチップコンパレータで過電流/過電圧監視、保護の高速応答が可能。この他、4個のフレキシブルなSCTimer/PWMタイマは最小限のCPU負荷で最大28のPWMチャネルを提供する。このSCTimer/PWMタイマは、アナログブロックとSCTimer/PWMタイマ同士の入出力が密接に結合したサブシステムの中核ブロックである。

「LPC1500」シリーズには、ベースボード、モータ、フリーのファームウェアで構成されている2種類のモータ制御キットが用意されている。PMSMモータ制御ソリューションは、センサ付き、センサレスPMモータでのベクトル制御(FOC)用である。一方のBLDCモータ制御ソリューションは、センサ付きBLDCモータでの標準的な矩形波モータ制御用である。ツールとソリューションを用いることで、多様なモータ制御アプリケーションで「LPC1500」シリーズを容易に組み込むことができる。

「LPC1500」シリーズは、LPCソフトウェアエコシステム、ツール、ドライバ、ミドルウェアによってフルサポートされている。また、フル機能のC/C++ツールチェーンとIDEからなるフリーのNXP LPCXpresso開発プラットフォーム、KeilやIARなどが提供しているサードパーティ製開発環境も選択できる。

なお、「LPC1500」シリーズおよび開発ボードは発売中。「LPC1500」シリーズの価格は1万個購入時で1.91ドルから。