矢野経済研究所は2月14日、国内の植物工場市場に関する調査結果を発表した。

現在の植物工場には、太陽光を遮断し人工光で温湿度、光強度などを制御する「完全人工光型」、半閉鎖環境で太陽光を利用しながら不足分を人工光源で補光する「太陽光・人工光併用型(併用型)」、太陽光のみを利用する「太陽光利用型」の3種類がある。

同社によると、完全人工型の市場規模は2013年が33億9600万円で2025年が約13倍の443億3800万円となる見込み。現在の生産品目はリーフレタス類が中心であるが、今後は生鮮機能性野菜や健康食品などの原料生産、イチゴや結球レタスなどの生産が進むとしている。また、医薬品原料などの超高付加価値製品市場が発展することも理由の1つだという。

国内完全人工光型植物工場の運営事業市場規模予測

一方の併用型および太陽光利用型の規模は、2013年が199億1900万円で2025年が約5倍の1056億9000万円になると予測。今後、国の次世代施設園芸事業の推進政策を受け、民間企業の積極的な参入を見込めることおよび太陽光利用型は大規模工場建設の増加、併用型は太陽光利用型工場への人工光導入による補光などに伴う発展などが考えられるという。

内太陽光・人工光併用型および太陽光利用型植物工場の運営事業市場規模予測

なお、調査の概要は、調査期間が2013年7月~12月、調査対象が植物工場運営企業、調査方法が同社専門研究員による直接面談、電話・メールなどによるヒアリング調査および文献調査併用となっている。