その肥満は、本人が気づかない「食べグセ」が原因かも

ダイエットを始めたのにどうも長続きしない、頑張っているのになかなか体重が減らない、という悩みは多いもの。実は、太りやすい人、ダイエットに成功しない人の共通点に「食べグセ」というのがある。特に、ダイエット中に「これなら太らない! 健康にいい!」と思って取り入れているものが、逆に太る原因になっていることも少なくないのだ。

「○○は太らない」その思い込みが……

医療や栄養学の知識を借りてダイエットを行うダイエット外来ではまず、その人がなぜ太ったかということを冷静に検証する。問診や食事日記などをつけることで、自分では気づかない「食べグセ」を探っていくわけだ。

なかでも最近多いのが、「身体にいい」「ダイエットにいい」と思ってプラスする食べ物の食べ方が悪くて太ってしまうケース。そこで、3つの典型的な「食べグセ=太るクセ」のタイプを紹介しよう。

Type1)偏食・単品過食タイプ
便秘に悩んでいたAさんの例

・ヨーグルトを朝夕欠かさず食べる(脂肪ゼロの450gを毎日1パック)
・カフェでは、豆乳ラテを1日2杯は飲んでいる
・「便秘には食物繊維がいい」と、イモ類やレンコンなどの根菜やかぼちゃやコーンを加えたサラダを摂取

問題点)
ヨーグルト(脂肪ゼロの450g)は約185kcal、豆乳ラテは133kcal(低脂肪乳では108kcal)×2杯で、1日約450kcal(ご飯約茶碗約2杯分)。豆乳、ナッツ類、栄養価の高い牛乳などの食材は、美容や健康にとてもいい。ただ、大量に食べればカロリーオーバーになる。サラダも低カロリーと思われがちだが、ドレッシングに油分が大量に含まれおり、イモ類やレンコンなどの根菜やかぼちゃやコーンなどは糖質が高く、カロリーも意外と高い。

Type2)糖質大好きタイプ
とにかくご飯やスイーツが大好きなBさんの例

・朝は食べず、昼は菓子パンやパスタが多い。麺類が大好き
・お酒が大好きで、よく飲みに行く
・スイーツは我慢しない。でも太りたくないので、食事を抜くことがある

問題点)
炭水化物などの糖質が体内に入ると、血糖値が上がりインシュリンが分泌。この血糖値の上がり方が急であればあるほど脂肪がつきやすくなるので、糖質ばかり好む女性は要注意。朝はフルーツだけ、おにぎりだけも太りやすい食事。肉や魚などのタンパク質を取らないと、食事を抜いても代謝が悪い身体に……。

Type3)タンパク質LOVEタイプ
最近、ランニングを始めたCさんの例

・筋肉のために、朝から高タンパク質の食事(例:スープにタラを2切れに豆類+目玉焼き+豆乳200ccなど)
・運動後、ごほうびにスイーツを食べることも
・運動前後には、スポーツドリンクをしっかり飲む

問題点)
「運動しているからやせる」「運動しているからたくさん食べてよい」という発想はとっても危険。魚は身体にいいと言っても、タラ2切れは80~120kcalで多すぎ。1切れで十分。ごほうびにショートケーキを食べると、1個で300kcal強。たまにはいいが、習慣化すると太ってしまうことに。

年齢太りを更に加速させる!

太りにくい身体を維持するには、エネルギーの消費量が多い「基礎代謝」が要。しかし、この基礎代謝は年齢とともに低下してしまう。悪い食べグセがあると、年齢とともにどんどん太ってしまうのだ。

対策1)毎日の食事を記録して「食べグセ」を探れ!
どんな人も1日にして太るのではない。自分の太りグセを1週間の食事記録をつけて、浮き彫りにしてみよう。記録をつけるだけでなく、その中から毎日食べているもの、あるタイミングで口にしてしまうもの、意外と量が多い気がするものをマーキングしてみるとクセが把握しやすくなる。クセになっているものの量や回数を見直すことからスタートしよう。

対策2)プラスする食べ物の適量を確認しよう!
ダイエットに効果的なものや身体にいいと思っているものは、ついつい取り過ぎてしまうもの。習慣化して取り入れるものは特に、「適量」をきちんと把握しよう。ありがちな食品の適量をいくつか紹介するので、是非参考にしていただきたい。

・タンパク質……1日の必要量は240kcal。1食分の肉、魚、豆・豆製品を目安としてこぶしひとつ分(80kcal。※30代女性の摂取エネルギー量1,600kcalの場合)

・牛乳やヨーグルト……1日の適量は牛乳・ヨーグルト合わせて200ml(g)程度に。腸内環境などのためにも毎日取りたい食品だが、取り過ぎると太る原因に

・豆乳……1日の適量は200ml程度に。牛乳に比べてヘルシーと思われがちな豆乳。しかし、カロリーは牛乳とあまり変わらない。イソフラボンは取れるが、過剰に取るとこちらも太るもとに。特に、ソイラテ(ショートサイズ)は約133kcalもあるので、飲む回数は考えよう

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