計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは2月3日、4G以降の携帯電話の機能試験やRF設計検証向けのシグナリングテストセット「Agilent E7515A UXM ワイヤレス・テスト・セット」を発表した。

同製品は、現在のLTE-Advanced Category 6から、将来登場する複雑なテストケースまで、様々なワイヤレスデバイスの設計検証に必要な機能を幅広く提供する測定器である。LTE/LTE-Advancedのチップセットおよび端末の設計検証に加え、300Mbpsの安定したダウンリンク速度でCategory 6の双方向性能を現実の環境に近い状態で検証することが可能など、柔軟な受信試験、信頼性の高い送信試験を行うことができる。また、複雑なハンドオーバーシナリオやVoLTE(ボイスオーバーLTE)のサポートなど、多岐にわたるネットワークエミュレータ機能を搭載している。これにより、詳細な機能試験を行うことが可能となる。さらに、同社の「X」シリーズをRF試験のエンジンとして採用することにより、信頼性の高いRF試験も実施できる。

ワイヤレスの世界では次々に新たな規格が登場するが、同製品では、将来のアンテナ技術、搬送波、データレートにも対応可能なアーキテクチャを採用している。独立して動作する100MHzのRF送受信機を2個搭載しており、複数のセル、キャリアアグリゲーション、4×2までのMIMO、フェージングなどに対応する。また、機能試験用としてサーバ機能も実装している。さらに、拡張性が高く、プロセッサのアップグレードが可能な他、複数の拡張スロットによる機能追加もできる。加えて、タッチスクリーンを採用したユーザインタフェースにより、操作が容易である。SCPIコマンドベースで互換性があるため、同社のテスタ製品から移行することも容易となっている。これらの機能は、「UXM」に順次追加されていくとしている。

この他、「UXM」は、同社のワイヤレステストセット「E6640A EXM」シリーズと併用することもできる。携帯電話や無線デバイスの量産試験用の「EXM」は拡張性に富んでおり、MIMOを採用したLTE-Advancedや802.11acに対応する。なお、「UXM」はすでに販売を開始している。

4G以降の携帯電話の機能試験やRF設計検証向けのシグナリングテストセット「Agilent E7515A UXM ワイヤレス・テスト・セット」