LLVM is a robust system, particularly well suited for developing new mid-level language-independent analyses and optimizations.

IntelのOpen Source Technology Centreに務めるDavid Woodhouse氏はLLVM開発者メーリングリストにメール「16-bit x86 status update」を投函し、LLVM Clangにおける現在の16ビットモードのサポート状況を伝えた。GCCの実装と比較するとまだ実装しなければならない部分が残されているが、「.code16」のサポートを追加するなど基本的な機能が実装されたことが説明されている。Linuxカーネルを起動するところまで動作を確認したとしており、オペレーティングシステムの開発に反映できるものとみられる。

IntelがLLVM Clangに対して16ビットモードのサポート追加に取り組んでいるのは、実際に16ビットでソフトウェアを動作させるためではない。x86系のプロセッサはシステムの起動時に16ビットモードで動作する必要があるため、LLVM Clangでオペレーティングシステムを開発しようとした場合、この機能に対応する必要がある。また、WineやQEMUなどのオープンソースソフトウェアは16ビットモードへの対応を必要としており、そういったタイプのソフトウェアをコンパイルするためにこの機能が必要とされている。

FreeBSDは次期メジャーアップグレードバージョン「FreeBSD 10.0-RELEASE」でLLVM Clangをデフォルトのコンパイラに採用しているが、ブートコードに関してはLLVM Clangが提供しているアセンブラコンパイラでは処理できない。このためFreeBSDではブートコードのコンパイルに関してはLLVM Clang以外のツールを採用している。LLVM Clangが16ビットモードに対応すれば、この部分の処理もLLVM Clangへ置き換えることができる。