ロームとアクアフェアリー、京都大学を中心とした企業、団体などは1月9日、産官学一体となり、固体水素源型燃料電池システムの早期の実用化と普及促進を目指し、「京都燃料電池アライアンス」を発足すると発表した。

固体水素源燃料電池システムは、2013~2014年度の2年間にわたり新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より助成を受け、非常用携帯電源として、地方自治体を中心に実証試験が進められているが、固体水素源(水素化カルシウム)を使用した新しい形式の燃料電池であることから、実証フェーズ後の産業化フェーズに進めていく過程では、単に製造体制、燃料供給体制の確立にとどまらず、政策・法制・安全性や信頼性などの国際標準化の他、部材の供給体制、応用技術の開発から製品の組み立て、安全性テスト、さらにはリサイクルなどの次世代の核となる技術、ユーザーの立場としての意見の反映など、多岐にわたる知恵と力の結集が必要となっている。

そこでロームやアクアフェアリーを中心に同燃料電池の研究開発などに携わってきた企業ならびに団体らは、「京都燃料電池アライアンス」を発足させ、固体水素源による燃料電池の実用化、普及を促進する業界団体として活動を開始することを決定したという。

同アライアンスが2014年1月9日に行ったキックオフミーティングには、実際に参加する企業16社、地方自治体の他、経済産業省やNEDOなどが参加したという。また、同アライアンスは、同業者による共同組織でなく、研究開発、製品化、量産技術、燃料供給、工業デザイン、ユーザーニーズ、実証実験フィールドの提供など、新しい燃料電池システムを確立するため、多岐にわたるメンバーでの構成を目指すとしており、今後、年度内の法人化への在り方も含めた検討を行っていくとしている。

アライアンスの構成図

キックオフミーティングの模様