MM総研は11月14日、「法人ユーザーにおける携帯電話/スマートフォンの導入配布状況・ニーズに関する調査」の結果を発表した。

調査は、インターネットアンケートサービス「gooリサーチ」の会員モニターを利用し、従業員100人以上の大手・中堅企業および学校・医療福祉法人の総務部門508社を対象として行われた。

今後、法人名義でスマートフォンを導入する場合のOSを複数回答で尋ねたところ、Androidが68.8%、iOSが40.8%となった。

OSを選んだ理由については、Androidが「端末価格の安さ(43.0%)」「操作がしやすい(25.5%)」「パソコン連携がしやすい(21.8%)」が上位になった。一方、iOSは「セキュリティ面で優れている(31.6%)」「操作がしやすい(29.6%)」「アプリの数が豊富(19.4%)」と、Androidを選ぶ理由と大きく異なり、両者のニーズの違いが鮮明になっている。

導入するスマートフォンOSの選定理由

ほかに、法人名義の携帯電話・PHS、スマートフォンのいずれかを、現在、従業員や役員などに「配布している」企業は76.0%だった。また、スマートフォンに限って尋ねたところ、配布している企業は「本格的に導入利用済み(19.9%)」と「テストまたは部分導入利用済み(10.2%)」を合わせると30.1%となっている。

一方で、配布していない企業のうち「準備中」(1.4%)と「検討中」(15.7%)を合わせた導入予備軍は17.1%にとどまり、「まだ考えていない」が24.4%、「必要なし」が28.3%と導入を検討していない会社が半数を超えた。

法人名義のスマートフォン導入利用状況と配布率の推移

スマートフォンの社員配布率を見ると現在は平均4.7%、1年後に8.2%、3年後に12.5%と徐々に増加するとMM総研は分析。ただし、1年前の調査では「現在」が4.2%、今回の調査時期に相当する「1年後」に7.3%、「3年後」に11.4%だったことから、予測に比べて実績が伸び悩んでいることが分かる。

また、携帯電話・PHSを含めた端末全体におけるスマートフォンの比率は、現在の19.3%から、3年後には43.3%となる見通しだ。

携帯電話・PHS、スマートフォンの従業員配布率推移

スマートフォンの導入拡大の阻害要因として最も多かったのは「セキュリティへの不安(不正アクセスによる情報漏えい)」で、52.1%と突出している。次いで、「セキュリティへの不安(端末の紛失による情報漏えい)」37.9%、「セキュリティへの不安(ウイルス感染)」36.7%と、上位3位をすべてセキュリティ関連が占めた。

そのセキュリティ対策の代表格としては、MDMサービスが普及しつつある。スマートフォン導入企業のうち、MDMサービスを利用している企業は62.7%にのぼっているという。

最後に、この1年間で「キャリア間で大きな移動を行ったか」について尋ねたところ、「MNPを使って変更した」が11.1%、「MNPを使わないで変更した」が4.4%、「MNPを使う変更、使わない変更の両方を行った」が2.3%で、計17.8%がキャリア間の契約変更を行っていることが分かった。

変更した企業に変更前と変更後のキャリアを尋ねたところ、変更前のキャリアは「NTTドコモ」が46.4%、「KDDI」が27.5%、「ソフトバンク」が17.4%であったのに対して、変更後は「KDDI」が37.7%、「ソフトバンク」が31.9%、「NTTドコモ」が29.0%と大きくシェアが入れ替わっている。