アットマークテクノは11月5日、組み込みプラットフォーム「Armadillo-400」シリーズがフォークスのリアルタイムOS「OS-9」に対応したと発表した。

今回、アットマークテクノとフォークスの両社は、「Armadillo-400」シリーズに「OS-9」の量産ライセンスをバンドル販売すること、およびその統合開発環境である「OS-9 for Armadillo-400 開発パッケージ」を販売することで合意した。

フォークスの「OS-9」は、マイクロ秒単位の制御が可能なリアルタイムOSとして30年以上の実績があり、 鉄道分野や医療分野の機器など、高い信頼性が要求される組み込み機器で採用されてきた。また、電源投入後2.5秒で立ち上げ可能などのメリットも有している。アットマークテクノの「Armadillo-400」シリーズは、ARMプロセッサを搭載した組み込みプラットフォームで、計測・監視装置といった産業機器で多く採用されており、OSとしてLinuxがプリインストールされている。

Linuxは無償で利用できるメリットがある反面、リアルタイムOSではないため、マイクロ秒単位の時間保証を必要する分野に適用するのは困難である。一方、リアルタイムOSに分類されるOS上でLinuxと同様の機能を実現するためには、OS本体の他に専用の開発環境やミドルウェアを別途用意しなければならないことが多く、数百万円の初期費用が必要となる。

今回の開発パッケージは、「OS-9」とデバッガを含んだ統合開発環境の他、「Armadillo-400」シリーズ向けのデバイスドライバなども含んで1年当たり6万円の低価格を実現した。「Armadillo-400」シリーズと同時購入の場合はさらに1万円値引きとなり、4.3型タッチパネル液晶付きの「Armadillo-440 液晶モデル開発セット」と組み合わせても、10万円を切る価格で導入可能となっている。また、1カ月間無償で利用できる評価版も用意されているので、気軽に試すことができる。

開発パッケージの評価版は、12月中旬よりアットマークテクノのサイトからダウンロードすることができる。「Armadillo-400」シリーズで標準的に搭載されているUSB、SD、シリアル、GPIOなど向けのデバイスドライバの他、TCP/IPなどの通信プロトコルスタック、ファイルシステムなどのミドルウェアも、同サイトから入手することができる。さらに、開発した製品の量産時には、「OS-9」の量産ライセンスをバンドルした「Armadillo-400」シリーズのCPUボードもラインアップされるので、OSを個別に手配する必要がないとしている。

4.3型タッチパネル液晶付きの「Armadillo-440 液晶モデル開発セット」