ルネサス エレクトロニクスは10月29日、最新の動画像符号化方式「HEVC/H.265」に対応したビデオコーデックIPを開発し、2013年11月より提供を開始すると発表した。
同IPは、HEVC/H.265方式の高効率符号化性能を引き出す独自アルゴリズムを新たに開発したことで、リアルタイム処理ながら従来符号化方式を超す高画質・高圧縮の符号化を実現することが可能となっている。
また、従来ハードウェアIP比2倍となる4K2K解像度(4096×2160画素)@30fpsのエンコード・デコード処理性能を実現しており、従来方式によるフルHD画像(1920×1080画素)@60fps(080p60)と同等のデータ量・通信路帯域で、4K2K解像度の画像体験を提供することが可能なほか、1080p60の2チャンネル同時処理も可能なため、フルHD画像の圧縮トランスコードやビデオチャットなど、同時に複数の映像をエンコード・デコードすることが要求されるアプリケーションを、単一のハードウェアIPで実現することが可能。
さらに、データ制御方式の最適化により、データの入力開始から対応する出力が開始するまでの遅延を、最小3msとすることが可能であり、これによりモバイル機器から他表示機器への画面伝送、AVメディア再生機能付きカーナビなどの車載エンタテインメントシステムのリアシートディスプレイへのワイヤレス伝送など、リアルタイムで圧縮された映像データを低遅延で伝送することが要求されるアプリケーションの開発に貢献することが可能になると同社では説明している。
なお、同IPについては、同社が開発を進めている車載情報機器向けSoC「R-Carシリーズ」の第3世代品への搭載も計画しているという。
