トレンド総研は10月23日、平成生まれの22~25歳で、2012年4月に入社した若手ビジネスパーソン500名を対象とした「仕事における情報収集」に関する意識・実態調査の結果を発表した。

「平成生まれ世代」が入社して約1年半が経過し、「仕事ができる」と自己評価しているのは全体の1割未満にとどまり、仕事において「知識不足」と感じている人が9割にのぼる実態が明らかになった。

はじめに「自分は仕事ができると思いますか?」という設問では、「できると思う」と回答した人がわずか8%にとどまった。

仕事ができないと感じる具体的なシーンとしては、「お客さんの質問にすぐ答えられないとき」(23歳・男性)、「専門用語が出てくるたびに、調べるか尋ねるかをしないと仕事が進められないとき」(24歳・女性)など、社会人としての経験不足や知識不足に起因する回答が目立った。

そこで改めて、「自信がない」ポイントについて質問したところ、業界知識・商品知識・時事知識などのいわゆる「ビジネス知識」を挙げた人は68%にのぼった。

さらに「仕事をしていて、自分の知識不足(業界知識・商品知識・時事知識など)を感じることはありますか?」という質問をしたところ、92%が「知識不足を感じる」と回答。中でも知識が足りないと感じる分野としては、「業界知識」の66%が最も多く、次いで政治・経済・トレンドなどの「時事知識」を挙げる人も40%にのぼった。

知識不足と回答した人は92%にのぼる

普段の情報収集源として利用しているメディアの質問では、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを通じて「Web」を活用している人が81%で最多となった。また、ニュースアプリや情報アプリなどの「アプリ類」も45%が活用していた。

なお、閲覧するWebサイト・アプリとして一番多かったのは「ポータル系サイト」で84%。そのほかには、51%が利用する「まとめ系サイト」が「無料ニュース系アプリ」の利用率38%を上回る結果となった。

若手ビジネスパーソンの情報収集源

一方で、紙メディアをチェックできていない人が多く、「新聞」を毎日チェックしている人は17%と2割に満たない結果となった。同時に、約3人に1人が「定期的にチェックしたいと思うが、できていない」媒体であると回答している。そのほかテレビについても、「毎日チェックしている」人は27%にとどまった。

ほかに、情報収集の現状について質問したところ、「自分が興味・関心のある情報しか収集できていない」が84%、「人と差が付くような情報を収集できていない」が79%と、これら2点が大きな懸念点として挙がり、情報収集に偏りがある傾向が強いことがわかった。

また、69%が「情報収集にあてる時間が少ない」と感じており、自らの情報収集における問題点を自覚しつつも、時間の少なさから対策が思うように取れていない実態が浮き彫りになった。

こうした調査結果を受けてトレンド総研では、若手ビジネスパーソンの情報収集についての傾向とポイントに関し、世代・トレンド評論家である牛窪 恵氏に話を聞いている。

牛窪氏は「現在の社会人1~2年目はいわゆる『ゆとり世代』で、物心がついたときにはすでに『Windows 95』が登場。1人1台パソコンを持っている環境で育てられた『デジタルネイティブ世代』。パソコンだけでなく携帯電話やスマートフォンも日常に浸透するようになり、子供のころ、安全のために両親からキッズケータイを持たされたという人も多いだろう。その一方で、それまでの人生でスクラップなどに触れていない世代であるため、新聞や雑誌など、デジタルでない『紙メディア』での情報収集については、苦手としている人が多い」と分析している。